この記事では、3月1日より行われているPacific Championship Series(PCS) 2024 Spring Split Playoffs。日本のリーグLJLからも3チーム出場している本大会の詳細について解説していきます。

PCS Playoffsはどんな大会?
大会の概要
PCS Playoffsは日本のLJL、オセアニアのLCO、アジア太平洋地域のPCSの3つの地域が出場します。この大会を優勝したチームのみが世界大会であるMSIに出場する権利を得ます。3つの地域から1つのチームしか世界大会へと進むことができないため、各地域とも負けることができない大会となります。
このシステムは昨年までのLJLのシステムとは大きく変化しました。2023年シーズンまではLJLは1つの地域として世界大会の枠を保持していました。そのため日本1位を取ることで世界大会へと駒を進めることができました。しかし、2024年シーズンからは上記3つの地域で1つの世界大会の枠へと変更されました。そのため、LJLで上位に入った後、PCSで勝ち進まなければ世界大会へと出ることができなくなりました。
ですがこの変更は悪い点ばかりではありません。マイナーリージョンとして国際戦では目立つことがかなわなかったLJLです。しかし、今年から上位3チームがPCSへと出場することができるため海外のチームと大会で当たる経験をより積むことができます。そのため、LJL全体のレベルの向上へとつながるので、日本リージョンの新たん飛躍を目の当たりにすることができるかもしれません。
出場しているチーム
PCS: Beyond Gaming(BYG) CTBC Flying Oyster(CFO) Deep Cross Gaming(DCG) Frank Esports(FAK) PSG Talon(PSG) Taipei J Team(JT)
LJL: DetonatioN FocusMe(DFM) Fukuoka SoftBank HAWKS gaming(SHG) V3 Esports (V3)
LCO: Antic Esports (ANC) Ground Zero (GZ)
上記の合計11チームが出場します。

大会方式
PCS PlayoffsはStage1とStage2に分かれています。PCS2位のPSGはStage2の1回戦、LJL1位のSHG、PCS1位のCFOはStage2の2回戦からの出場となります。そのため、残り8チームでStage2の1回戦の残り3っ枠をかけてStage1を争います。大会はすべてダブルエリミネーションで行われ、Stage1はBO3、Stage2はBO5になります。PCSとLJLは上位チームにシード権が与えられている中、LCOにはシード権がなく2チームのみの出場となっています。オセアニア地域にとってはかなり苦しい大会となっています。
大会の注目ポイント
注目チーム
なんといっても今大会の注目チームはSHGです。昨年のWorldsまで長年LJL1位を獲得し続けていたDFMを破りSHGが初の優勝を手にしました。その立役者となったのが、長年DFMを支え続けたEvi選手。昨シーズンは日本人初の海外地域でプロ活動を行い、今シーズンに日本へと帰ってきてSHGに所属しました。名実ともに日本一のTOPレーナーとして名をはせる選手です。DFMを支え続けた手腕で、今度はSHGを日本一へと押し上げ、日本の新たな勢力図を1人で描いています。TOPレーンの抜群の安定力で国内では独壇場を形成していました。
しかし、今シーズンの難しいところは日本一だとしてもPCSで1位を獲得しなければ世界大会へと出られないことです。国内では向かうところ敵なしのEvi選手といえど国際戦となると一筋縄ではいきません。昨シーズンは通算で見ればそこまで悪くなかったものの、海外プロの強さに歯が立たないシーンもあり、苦い経験を踏んだEvi選手です。その経験を生かしてPCSではTOPからゲームを作り、チームを導けるかが注目です。

必見の対戦カード
一番の気になる対戦組み合わせとしては、SHG対CFOです。この2チームが対戦することになるかは試合の進み方次第なので実際に行われるかどうかは現時点ではわかりません。ですが、日本よりも強いとされているPCSを1で通過したCFOと、勢いに乗って日本一の座を更新したSHG。これらのチームが対戦した時に日本リージョンの新たな限界と可能性が見られるのではと期待しています。もちろん、CFOといざ対戦となるとLJLを応援する側としては少し苦しいですが、見逃せない対戦となることは確実です。
優勝予想チーム
PCS Playoffsの優勝予想はやはりCFOです。昨年のWorldsではLJL代表のDFMと初戦で対戦し2-0でDFMを下しています。Worldsのロスターと3人が変更されていますが、新たに入った選手も巨力なプレイヤーばかりです。どのレーンもPCSで一二を争う実力者ばかりでどこからでも試合を組み立てることができるチームです。
その中でも注目プレイヤーはGori選手。LCK、LPL、LCS、PCSと様々な地域で経験を踏んできた選手です。傭兵として渡り歩いてきた経験から試合を破壊することも少なくない印象です。その一方で、ほか四人が台湾の選手の中、一人韓国の選手ということもありコミュニケーション面では不安が残るプレイヤーでもあります。シーズン当初は特に不調が続き、終盤に向けコンディションを整えてきた感じます。このまま、チームとしての完成度を上げていけるかどうかがGori選手に非常にかかっており、チームの命運を握る存在になりそうです。
まとめ
以上がPCS 2024 Playoffsの紹介となります。今年から大きくシステムが変更されたことで困惑している方も多と思います。今回の記事を参考により大会への理解が深まり、esports観戦を楽しんでいただけると幸いです。日本チームの新たな躍進に向けて目が離せません。