11月19日に決勝が行われたLeague of Legends(以下LoL)の世界大会、Worlds2023。決勝では中国のリーグLPLから出場のWeibo Gamingと、韓国リーグLCKから出場のT1の2チームが戦いました。
試合結果は3-0でT1が圧勝となりましたが、詳しい試合内容を見てみましょう!

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各チームの概要
Weibo Gaming
LPLからの刺客Weibo Gamingはリーグを4位通過でWorldsへ出場。強豪地域のLPLで上位に食い込む高いレベルを示しましたが、1年間を通しての成績は安定せずLPLの4チームの中では少し劣るという印象のチームでした。スイスステージでもギリギリ勝ち残ったものの苦しい戦いが続いていました。しかし、ノックアウトステージに入ってからどんどんと調子を伸ばし優勝候補のGen.Gに勝利したBilibiliGamingに3-2と接戦ではありますが勝利。怒涛の快進撃を見せWorlds 2023の決勝へと駒を進めました。

試合のカギとなるTheShy選手
注目すべきポイントはTOP TheShy選手。中国人選手が主体の中、唯一の韓国人選手でアグレッシブなプレイに定評がある選手です。TheShy選手の強気なプレイを主軸に試合を動かしていくのがWeiboの勝ちパターンですが、スイスステージでは強気なプレイが少し鳴りを潜めている印象で、持ち前の強さを生かし切れていない戦いが続いていました。しかし、ノックアウトステージに入ってからの試合ではTheShy選手らしいプレイが増えてきており、強気なピックを見せる試合も出てきました。TheShy選手がどれだけTOPから影響力を出せるかがWeiboの勝率を大きく左右します。
中国の名将Xiaohu選手
TheShy選手のトリッキーなプレイをチームとして支えているのがMIDのXiaohu選手です。Xiaohu選手は2014年からプロをしているベテランプレイヤーで、Weiboではチームの頭脳として活躍しています。Xiaohu選手の持ち前の経験とゲーム理解度からくるコールによって、珍しいチーム構成やTOPのアドバンテージを広げていくスタイルを確立しています。また個人の成績ではMSIを3度も優勝しておりまごうことなき実力を証明し続けていましたが、Worldsでは今まで決勝の舞台にものぼれておらず今回が初の決勝となりました。
T1

いわずとしれたLoLにおいて最も有名なチームのT1は韓国リーグLCKを2位通過でWorldsに出場したチームです。その中でも更に有名なのがMIDのFaker選手です。Faker選手は今まで最多のWorldsを3度優勝しており、今回優勝したことによって史上初となる唯一の4度優勝を果たした選手となりました。チームとしてはLCKを2位通過しましたが、夏にはFaker選手がケガによってチームを一時的に離脱しておりチーム全体で不調が続いていました。その中でも徐々にパフォーマンスを取り戻しLCKは2位、そこからのWorldsまでの調整期間を踏まえればLCK1位通過のGen.Gに遜色ない仕上がりのチームとなりました。
決勝での注目はTOP
Worldsが行われたパッチではTOPサイドの影響力がBOTサイドに比べて小さく、どこのチームもBOTを主軸とした組み立てを行っていました。しかし、WeiboはTheShy選手を活かしたTOPゲームを好むチームです。それに対してT1はどの選手も試合を動かせるだけのパワーを秘めていますが、その中でもTOPのZeus選手の直近のパフォーマンスの良さは目を見張るものがあります。決勝に来て試合の勝敗を握るのはTOPレーンのマッチアップとなりました。

試合内容
1ゲーム目
BAN/PICKでWeiboはTOPでエイトロックスを先出ししました。これは直近のZeus選手がエイトロックスでのパフォーマンスがよいことを踏まえた取り上げの形でもあります。それに対してZeus選手は得意チャンピオンのヨネを当てました。T1はチーム全体でタンクがおらずフロントを張れるチャンピオンがいませんでしたが、全てのレーンにおいて主導権を握り4ドラゴンを取得。T1らしい、難しいが100%のポテンシャルを発揮できれば強いというチーム構成を完遂しきり勝利しました。
2ゲーム目
再びエイトロックスを先出ししたTheShy選手に対して、Zeus選手は今度はグウェンをピック。1vs1でも有利を取れスケールでも勝てるということでカウンターピックを当てた形になりました。そして実際のゲームでもZeus選手が大幅な主導権を勝ち取り、cs差を大きくつけその有利を活かしてOner選手が相手のジャングルに入っていくなどTOPは完全にT1の流れとなりました。その後Oner選手のガンクもありタワー下のTheShy選手をZeus選手がキル。そのままZeus選手のキャリーコースとなり集団戦でもすさまじいダメージを叩き出します。WeiboはBOTレーンで有利を作り早めに2つドラゴンを取得しますが、Zeus選手が試合を壊すことを止められず続けてT1の勝利となりました。
3ゲーム目
3ゲーム目ではT1が1ゲーム目と同じようにタンクがいない構成を選択。JGはリーシン、MIDはアカリ、そしてなによりもTOPではZeus選手の得意ピックのエイトロックスをようやくピックしました。それに対してWeiboはアジールやケネンなど集団戦を見据えた構成となりました。ゲームが始まって3分半の序盤にZeus選手のフラッシュQからOner選手のガンクが決まりファーストブラッドをT1が獲得。しかしその後はTOPレーンへのガンクなどを決めWeiboが3キル獲得から更にヘラルドも取得。流れはWeiboかのようにおもわれました。
ですが、2体目のドラゴン前のファイトではZeus選手が2キルを獲得しTOPのタワープレートも取得。エイトロックスが育ったことで一気にパワーバランスが傾き、その後の集団戦ではT1が全勝。最後のファイトではZeus選手が3人に囲まれ1vs3の形になりましたがアルティメットのワールドエンダーを発動しダーキンブレードを当て続けることで生還。真の世界の破壊者となり3ゲーム目に勝利しました。

Worlds2023決勝まとめ
Faker選手が7年ぶりの4度目の優勝を果たしたことで大きなニュースとなったWorlds2023の決勝ですが、既に来年のシーズンに向けて各チームの発表が行われています。T1は来シーズンも同じメンバーでプレイすることが決まっており次の活躍も待ちきれません。これを機に興味がわいた方も来シーズンの動向に注目してみると面白いかもしれません。