eスポーツステーション「NOABOX」が町田にオープン 企業利用も出来るeスポーツカフェの誕生
株式会社日成ディスカバリーは11月25日、eスポーツカフェ「NOABOX(ノアボックス)」が神奈川県相模原市にオープンしたと案内を行った。同カフェ自体はSNSサービス「X」上では1月末時点で営業を行っているようだが、今回大手メディア向けに告知を出したのは初めての事となっている。各メディアとも本店の「オープン」に際してのリリースを掲載しているようだ。

ハイクオリティなeスポーツを楽しめる空間
同施設は最寄り駅が東京都町田にある町田駅となっており、JR線・小田急線それぞれの駅からそう離れていない位置でオープンしている。店舗の案内によれば徒歩およそ7分ほどとの事であるが、多少の距離はあるため事前のルートチェックを行う方が良いだろう。
同施設の特徴はいくつか挙げられるが、何と言ってもその機器のスペックの高さは外せない。全PCにグラフィックボードとしてRTX4070〜4090を搭載。CPUはそれに見合った「AMD Ryzen 9 7900X 12-Core Processor(12コア16スレッドのミドルハイモデル)」とハイスペックな構成を採用しており、昨今リリースされているゲームであればおおよそのタイトルが円滑に動作する。また全ての席が昇降式デスクなので、自宅の環境と同様に椅子の高さを合わせる事も出来るという。
キーボードは全てラピッドトリガー対応モデルとなっており、素早い入力が可能となっている。ラピッドトリガーとは、キーボードの入力が行われたら即座に入力が反映される仕様を指しており、通常のキーボードの様に「一定の深さまでキーを押し込む事で入力となり、その深さより浅い角度となったら未入力、もしくは入力が中断される」というタイムラグのある仕様とは根本的に異なっている。微調整を必要とするFPS系タイトルを扱うeスポーツプレイヤーにとっては垂涎の品物となっており、相応に値の張る代物を試すことができるのは嬉しい環境だ。
ここまで至れり尽くせりであるが、音響面でも妥協は無い。利用可能なヘッドセットはソニーが提供するゲーミングヘッドセット「INZONE」シリーズで統一されている。カナル型のワイヤレスイヤホンとヘッドセットタイプの2種類が提供可能とされているが、こちらも一台辺りのお値段が安くて17000円からであり、ロースペックなPC周辺機材であれば一式買えてしまう程の高価さを誇る。もちろんこれも利用可能とあれば、ゲームをプレイするにはもってこいのサービスだろう。
もちろんこの手のゲームをプレイするなら水分が欠かせない。ドリンクバー付きでの料金設定となっているため、安心して喉を潤しながらプレイできるのはユーザーに優しい。だがここまでだけであれば「一昔前に流行った、VRヘッドセット対応のハイクオリティネットカフェ」とそう変わるものではない。だがそれ以上の利点、かつ「eスポーツを愛好するプレイヤー」が好む要素がこの施設には存在するのだ。
大型個室と試合観戦と貸し切りプラン
この施設はなんと3人用個室と5人用個室が用意されている。個室内のPCは全てデュアルモニターかつ480hzモニターを完備しているため、eスポーツプレイヤー向けのブートキャンプに適しているのである。もちろん設置されているPCも相応にハイグレードだ。搭載されているグラフィックボードは3人部屋がRTX4080 Super、5人部屋がRTX4090と、ネットカフェサービス向けかつ多人数向けのサービスとしては圧倒的にスペックが高い。時間設定は3時間もしくは6時間の2タイプから選べるが、6時間利用しても一人当たり4,000円を切る値段で利用可能である。1時間辺りの金額で660円前後なのだから、機材と価格の面から考えれば破格の安さだ。個室という事でeスポーツチームでのブートキャンプはもちろん、友人・家族での来店、配信・撮影、イベント利用まで幅広く対応できるプライベート空間として謳っている。
またこの施設そのものを1日貸し切るプランも用意されている。個人グループ向けでの貸し切りの他に、企業向けのワークショップなどを開催する際にも活用可能であり、これについては今年11月20日頃より公式サイトでリリースが打たれている。首都圏近郊の企業であればセミナーの場として利用するのも悪くなく、また昨今盛んな企業間でのeスポーツ交流イベントの開催地として企業が利用する事も視野に入れているものと思われる。
そのうえApex Legendsのイベントである「Apex Legends Global Series」のパブリックビューイングやヴァロラントの店舗交流戦、ギルティギア ストライヴのオフライン大会などeスポーツタイトルに関するイベントの開催や中継に対し、非常に積極的な姿勢を見せている。多くのネットカフェが個人利用をベースにしている事からこの手の中継は行われにくい中で、本施設ではイベント開催を奨励している事もあり、eスポーツ業界におけるハブの一つとして存在感を示そうとしていると見込まれている。
是非ともクオリティの高い一室で、普段は出来ないであろう珠玉のeスポーツ体験をしてみてはいかがだろうか。