REJECT、エグゼクティブ向け格闘ゲーム交流会を開催 気流に乗る同チームのSF事情

 株式会社REJECT(本社:東京都港区、代表取締役:甲山翔也、以下「REJECT」)は、オフィス内スタジオ「REJECT HUB」にて、格闘ゲームを通じたカジュアルなエグゼクティブ交流会を開催することを11月18日に発表した。昨今株式会社カプコン主催のSFL(ストリートファイターリーグ)にて目覚ましい活躍を見せている同チームの新規事業として、今回のイベントは注目を集めている。

新たな市場となるエグゼクティブ向けゲームイベント

 今回実施される交流会は執行役員クラスを中心とした格闘ゲーム愛好者を対象としており、異業種間の交流と新たなつながりの創出を目的とした特別な場として実施するとの事である。当日は、SFL(ストリートファイターリーグ)所属選手数名によるコーチングセッションも時間限定で実施予定との事。参加者に、プロ選手との特別な対戦体験を通じて、格闘ゲームの奥深さやゲームを通したコミュニケーションの新たな可能性を体感してもらえると謳っている。

 格闘ゲームをはじめ、対戦型のゲームコンテンツが企業同士の交流イベントとして銘打たれている事例は存在するが、今回は一般社員ではなく明確にエグゼクティブ(執行役員)クラスの企業関係者が対象となっている。これについて明確な募集基準などは公開されていないが、経営に携わる様な立場にある社員の交流イベントである事は間違いないだろう。

 こういったイベントは通常の対戦要素を主軸とした色合いのものではなく、より企業間の交流に重きをおいた流れとなる事が多い。イベント開催の背景として考えられるのは、ひとつは企業間におけるコミュニケーションの一環としてゲームコンテンツが利用される事に対する抵抗感がなくなりつつあるという事だ。若い世代の文化に目を向ければ、ゲーム配信事業やeSports事業は一大産業として芽吹いている状況だ。経営側の立場としては、そういった市場の動向や文化に触れない訳にはいかない。

 もう一つの理由としては、REJECTそのものの企業側への売り込みだ。現在SFLを皮切りに順調に戦績を伸ばしているREJECTであるが、その母体はあくまで株式会社REJECTという一企業である。企業であるからには後援を得なければこの手のサービス業は存続が難しく、また日本国内でeSports向けのチームを企業として成り立たせるには、選手の好成績による配当や主催イベントの興行だけでは経営を維持できないレベルの市場規模である。それ故に、企業がスポンサーに付くことは他のスポーツチーム同様よくある話である。REJECTとしても、スポンサー契約はもとより既存の企業に対してゲームのコーチングを経た太いパイプを構築しておくことで、自団体の地盤を盤石なものとしておきたい狙いがあるのだろう。

 現在既に募集は終わっているものの、好評であれば今後も継続して実施される可能性は高い。

好調なREJECTと今後の展開

 先述したように、現在REJECTは株式会社カプコンが開催中のイベント「ストリートファイターリーグ:Pro-JP」に出場中だ。現在開催されているDivision制2つの組のうち、Division Fに組分けされており、戦績は10節中9節を消化して第1位の250ポイントを獲得。2位の広島 TEAM iXAに大差をつけてひた走っている状態である。現状1位であるため、このまま上位3チームで争う「プレーオフ」への進出権を獲得しており、最後まで勝ち上がればDivision Sのプレーオフ1位チームと争う事となる。それを勝ち進めば、世界規模のトーナメントとなる「Street Fighter League:

World Championship 2025」へと歩みを進める事が出来るのだ。今日本国内で最も可能性の高いチームといっていいだろう。

BIG BIRD選手の画像

 またSTREET FIGHTER部門に所属するBig Bird選手については、2025年11月8日(土)に開催された『World Warrior 2025 – Middle East Regional Final』(にて優勝し、『CAPCOM CUP 12』の出場権を獲得している。このCAPCOM CUP 12については、先述したストリートファイターリーグとは別物ではあるものの、選抜された48名のプレイヤーにより争われる個人戦の大会となっている。同選手は中東で開催された大会でストレート勝ちを果たしており、圧倒的な強さをCAPCOM CUP 12で見せつけるものと期待されている。

 この様にREJECTのSTREET FIGHTER部門における戦績は今シーズンかなりの物となっている。もちろん他チームも強豪揃いではあるだろうが、それ以上に抜きん出た存在感を示している状況だ。だからこそ今回のコーチングイベントの様な「ゲームをするだけではなく、ビジネスとしてゲームプレイを成立させていく」方針も執っていく事になるのだろう。エグゼクティブクラスの人間が全員ゲームに親しい訳では無いが、そこはストリートファイター6。モダン操作はボタン一つでお手軽にコンボが出せるゲームシステムであり、そこから同作品の魅力に気づいていくのが狙いだろう。この新しいビジネスの形に注目していきたい所である。

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