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10月10日に開幕したLeague of Legends(以下LoL)の世界大会、Worlds2023。今大会は予選となるプレイイン、本戦となるスイスステージ、決勝となるノックアウトステージの3つで構成されています。

今回はノックアウトステージのクオーターファイナル、今大会の準々決勝の4試合の結果をお伝えします。

Worlds 2023 ノックアウトステージ
Image Credit: LoL Esports @lolesports

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4試合の結果一覧

WeiboGaming vs NRG

クオーターファイナルの一試合目となったのはこの対戦カードです。唯一の中国、韓国地域以外からのノックアウトステージ進出となったアメリカリーグLCSチーム、NRGと強豪地域中国のLPLから出場のWeiboGamingの試合はWeiboの勝利となりました。LoLのeスポーツに関する公式ホームページlolesports.com上で行われている勝利予想イベント、PICK’EMでは78.8%がWeiboを選択。やはり強豪地域とその他の地域の差は大きいと見られています。

Gen.G vs BiliBiliGaming

Worlds 2023 Gen.G
Image Credit: LoL Esports @lolesports

準々決勝において最も予想外のことが起きたのが二試合目となるこのカード。韓国リーグのLCKを1位通過した優勝候補Gen.GとLPL2位通過のBilibili Gamingの試合はBilibili Gamingが勝利しました。今大会の2大優勝候補JDG,GenGはそれぞれの強豪地域を1位通過した実力あるチームですがそのうち1チームが早くも敗れる展開となりました。この試合の対戦内容は別項にて、本記事の後半部分に詳しくご紹介します。

JDG vs KT Rolster

優勝最有力候補JDGと強豪チームと5連戦を強いられながらもノックアウトステージに進出したKTの対戦はJDGの勝利です。KTは今大会のクジ運が悪く、スイスステージにおいて5試合連続で韓国、中国のチームとしか当たらず、ノックアウトステージも初戦でJDGに当たるという対戦カードです。

実力としては申し分なくLCKのリーグ戦においても1位を取るなど結果を残してきましたが、調子の波が荒いことでも知られておりLCKのプレイオフでは3位に転落する結果となりました。調子がよい時の強さは世界でもトップレベルで、1ゲーム目はJDG相手に終始有利を取る展開で勝利しましたが、その後はJDGが勢いを取り戻し3連取しJDGの圧倒的強さを見せつける結果となりました。

LNG Esports vs T1

Worlds 2023 T1
Image Credit: Colin Young-Wolff/Riot Games

準々決勝において試合前段階で最も予想が難しかったのがLNG vs T1です。ピナクルのオッズでもLNG: 1.952 vs T1: 1.869とかなりの接戦が予想されていた本試合。このほぼ五分に近いと思われていたこの対戦カードは、結果的にT1の勝利となりました。PICK’EMにおいての勝利予想は88.6%がT1を選択していましたがT1のチーム人気も相まっての高い数値ですので、評判としてはそこまでT1有利としては見られていませんでした。しかし、いざ蓋を開けてみると3-0でT1の圧勝。更に試合内容も3試合全てでLNGに1つもドラゴンを与えずにT1が4つのドラゴンをすべて取りきるなど終始T1が優勢のまま試合を決めました。

クオーターファイナルの全体

この4つの対戦カードのうち注目のポイントだったのはGen.Gの敗退、そしてT1の勝利です。今年のWorlds2023は韓国開催でLCKのチームとしてはなんとしても自国の優勝を勝ち取りたい思いです。しかしセミファイナルへと駒を進めた4チームのうち3チームはLPL、唯一のLCKはT1となりました。残るT1も、次に控える11月12日の試合ではJDGとの対戦となるため非常に苦しい戦いを強いられることになるとは思いますが…良い結果を持ち帰れるでしょうか。

Gen.Gの敗退の理由を考察

優勝候補筆頭のGen.Gが惜しくも敗退となってしまいましたが、そうなってしまった原因を韓国チームの特色も踏まえて考察します。ピナクルのオッズでもGen.G: 1.645 vs Bilibili Gaming: 2.280 と、やや数値に開きがあります。敗因として一番にあげられる理由は、Gen.GのBAN/PICKの不可解さです。(注* BAN/PICKとはお互いにキャラクターを順番に禁止したり選択することでお互いの使うキャラクターを選ぶシステム)

メタへの理解

現在のLoL Worldsのメタにおいてはランブル、J4、オリアナ、ザヤなどが高い評価を受けています。オリアナ、ランブルはレーン戦が強く、またアルティメットが範囲に影響を与えるものとなっています。J4はアルティメットが相手を一定の範囲に閉じ込めるといったものなのでオリアナやランブルのアルティメットと非常に相性が良いです。

また現在のメタにおいてブリンクを持たないキャラクターも多いためこのコンボが決まりやすく非常に凶悪な組み合わせです。(かくいうオリアナ、ランブルもブリンクを持たないキャラクター)それに対してザヤはブリンクこそ持たないもののレーンでも集団戦でも活躍しやすく、アルティメットが一定時間、対象指定不可となるため先述のコンボに対してある程度の回答を持っているキャラクターとなります。

そのためこれらのキャラクターが現在上位におり、BAN/PICKの対象となりやすいですが、韓国のチームはこれらのシンプルなシナジーをあまり好まない傾向にあります。韓国地域のプレイヤーは高い実力を有している分、理論値を求める傾向があるため簡単なコンボなどに対する評価が低いです。その為Gen.Gはこれらのキャラクターを禁止も使用もせず相手に引き渡してしまう展開となりました。

柔軟な対応

長期戦におけるBAN/PICKの重要なポイントとしては分析と重要な対応です。負けてしまったゲームに対して相手のキャラクター選択が単純に強かったのか、それとも自分たちのキャラクターのチョイスやプレイが悪かったゆえに負けてしまったのかでは大きく変わります。

後者であれば自分たちのキャラクターを見直したり、プレイの修正をしていく自分たちの向上が大切です。しかし、前者が原因の場合自分たちの改善だけではどうにもならず、BAN/PICKにおいて相手を抑制していく必要があります。Gen.Gとの試合ではBAN/PICKの時点で大きな差があり、オリアナ、J4、ランブル、そしてサポートのレナータに暴れられたにもかかわらず最終的にこの中でBANをしたのはレナータのみ。最終試合では相手にランブル、J4、オリアナを渡して負けてしまいました。Gen.Gとしてはメタへの読みと、相手の構成への対応が欠けていると思われるような試合内容となってしまいました。

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クオーターファイナル まとめ

これらがクオーターファイナルの対戦結果とそれに関する考察でした。Gen.GがBAN/PICKで差をつけられた印象に対して、T1はマークスマンサポートなど最近あまり見ないメタで勝利をしており、メタへの新たな挑戦も見受けられるため、期待が持てるところです。

そんなT1 vs JDGを含む熱い2試合が行われるセミファイナルは11月11、12日に行われます。あと少しで終わってしまうWorlds2023を最後まで張り切って応援していきましょう!