Faker選手とは「LoL (リーグ・オブ・レジェンド)」を代表する韓国出身のプロゲーマーです。韓国のプロチーム「T1」に所属しており、現在でもLoLの世界大会「MSI (Mid-Season Invitational)」や世界一を決める大会「LoL Worlds (League of Legends World Championship)」に出場しています。
LoLプレイヤーであれば知らない人はいないだろうと言われているほど知名度が高く、その実力から「神」や「伝説」、「魔王」などといった異名を持っています。今回はFaker選手の伝説や実績、韓国人プレイヤーならではの兵役の噂などについて解説させていただきます。

Faker選手の基本情報
Faker選手は幼少期から生活のほぼ全ての時間をゲームに費やしていたほどゲーム好きな少年だったようです。日本人にも馴染身の深い「ドンキーコング」や「けっきょく南極大冒険」といったレトロゲームからオンラインゲームの「メイプルストーリー」などさまざまなゲームをプレイしていました。
10代になるとLoLを代表するMOBAゲームの先駆けとも言える「Warcraft III」や「Chaos Online」といったゲームに熱中していました。
そんなFaker選手がLoLと出会ったのは2011年12月、Riot GamesがLoL韓国サーバーをローンチした年になります。
韓国サーバーが立ち上がった当初はノーマル戦のみプレイしていたそうです。その後、ランク戦を始めたところ躓くことなくLoLの最高ランク「チャンレンジャー」まで一気に上り詰めました。
チャンレンジャーを達成した頃には、韓国サーバー内のランクで1位を獲得するなど、Faker選手の伝説が始まることになります。
2013年に現在も所属しているプロチーム「T1 (当時はSK Telecom T1)」入りを果たし、プロゲーマーとしてのキャリアがスタートしました。プロ選手となった今でも一日12時間以上LoLの練習を行っており、その実力は2022年となった今でも全く衰えていません。
Faker選手の基本情報やプロフィールは以下の通りです。
Faker選手のプロフィールについて
- 本名: イ・サンヒョク (韓国語: 페이커)
- 年齢: 26歳
- 誕生日: 1996年5月7日
- 出身国: 韓国
- 所属チーム: T1
- 担当レーン: ミッドレーン
Faker選手の年俸は?
公式には発表されていませんが、Faker選手の年俸は数億円にものぼると言われています。所属しているチームからの契約金報酬やLoL Worlds・LoL MSIといった大会での優勝賞金が主な収入源です。2020年初めにはチームT1との3年契約を更新しました。
また、所属しているチームT1の運営会社「T1 Entertainment & Sports」の指導的役割を担う共同経営者兼オーナーとしての契約も新たに結びました。これはFaker選手がLoLプロプレイヤー引退後のセカンドキャリアを考えているとも言われており、引退後もT1に残って経営に関わっていくことを発表しました。
さらにFaker選手自身もTwitchなどの配信サイトでライブを行っており、同時視聴者が20万人を超える時もありました。また、多い時はなんと一度で50万〜100万円もの投げ銭もあったそうです。
Faker選手の人物像とは?
間違いなくLoL 最強プレイヤーの一人であるFaker選手、年俸も他のプロプレイヤーと比べて段違いですが、意外にも生活はとても質素な暮らしを送っています。
稼いだお金の管理は全て家族に任せており、本人は月3万円のお小遣いで生活しているという話はファンの間でも有名な話です。Faker選手も「ブランド品を買ったり、高級な料理を食べるよりも貯蓄を好む性格」とインタビューで答えており、休みの日を除いてふだんは宿所と練習室を通うだけなのでお金を使いたいと思う欲求もあまり生じないそうです。
今までで一番高価な買い物は?という質問には「家族のために買った家」と答えており、とても真面目で家族思いな選手なんだなと想像できます。
LoLの腕前だけでなく、人柄の良さもあることから長い間世界中のLoLファンから愛され続けています。
Faker選手は兵役に行かなくてもよい?
韓国では「兵役法」という法律があり、すべての成人男子は28歳までに入隊しなければならない決まりがあります。
Faker選手は本来ならば2024年に兵役に行かなければなりませんでしたが、、現在Faker選手は兵役を免除されることが確定しています。韓国ではスポーツにおいて国際的な大会で優勝をすれば兵役を免除される制度があります。アジア版オリンピックと呼ばれるアジア競技大会においてLoLが正式に種目として採用され、Faker選手は韓国代表として優勝したため兵役を免除されることになりました。
一度兵役に行った選手がブランクを取り戻せずプロを引退するケースは少なくないので、Faker選手の活躍をずっと見ることができるのはLoLのファンとしてもうれしいですね。

Faker選手の伝説とは?
Faker選手は、国内外問わず非常に多くの記録を残しています。LCK(韓国のLoLプロリーグ)では10回の優勝経験やLoL Worldsでは3度制覇したりと伝説的な数字を残しています。
LoL Worldsでは未だ2回以上優勝したチームが他にいないので、それがどれだけ凄いことかお分かりだと思います。
ここではFaker選手の伝説をいくつかご紹介したいと思います。
Faker選手が残した記録
世界大会はもちろん、韓国のプロリーグでの全ての記録はFaker選手が持っていると言っても過言ではありません。大会出場数や勝利数、優勝回数など考えられる記録のほとんど全てをFaker選手が記録しております。
全盛期のFaker選手の伝説的記録一覧
- LCKでのキル数: 2,500以上
- LCK優勝回数: 10回
- LoL Worlds 試合出場数: 100試合以上
- LoL Worldsでのキル数: 350以上
- LoL Worlds優勝回数: 3回
- 公式大会でプレイしたチャンピオン数:70以上
などなど、さまざまな記録を樹立してきました。
世界大会4度制覇
Faker選手はLoLの世界大会であるWorldsを唯一4度制覇した経験を持つ選手です。Faker選手は10年以上にわたりT1に所属し続けている為、その全ての優勝をT1で経験しています。また2015年、2016年に2連覇も果たしていますが、2連覇どころかWorldsを2度以上優勝したチームはT1をのぞくほか存在しないので4度優勝がどれだけの偉業かがわかります。
しかし2017年以降T1およびFaker選手は国際大会で2位などの成績は取るものの、長らく優勝までたどり着けていませんでした。しかし2023年のWorldsでついに優勝を果たし王者の座を取り戻しました。
最強の地域、韓国
LoLの最強の地域としてよくあげられるのが中国と韓国です。この2つの地域は世界大会の出場枠も多く、決勝トーナメントに残る数も非常に多いため実質的にこの2つの地域が優勝を取り合う構図になることも少なくありません。しかしFaker選手はこれまでに出場したWorldsで一度も中国のチームに負けていません。2023年のWorldsの決勝トーナメントではT1が中国のチームと3連戦する形でしたがその全てを危なげなく勝利しました。韓国対中国ではなくFaker対中国と言わしめるほどに強く、韓国が最強の地域であると体現し続けている選手です。
世界大会で対面のミッドレーナーを0CSでリコールさせる
2017年の「Mid-Season Invitational (MSI)」の準決勝では、台湾代表チームの相手ミッドレーナーを、0CSの状態でリコールさせるというまさかの事態が起きました。まさにFaker選手が、レーン戦を支配したという試合になります。これはFaker選手のチャンピオンへの理解力がとても深く、相手が使用しているチャンピオンの苦手な立ち位置などを理解しているために起こりました。この試合ではそのままミッドレーンが崩され、Faker選手およびチームT1が勝利を飾っています。ちなみに、2017年度のMSI大会優勝チームはT1です。
プロ選手の中でも使用チャンピオンの種類がずば抜けて多い
LoLではさまざまなチャンピオンが存在しますが、プロ選手が試合で実際に使用するチャンピオンは30体ほどと言われております。LoL最強リーグとも言われている韓国リーグのトッププレイヤーでも公式試合でピックしたチャンピオンの種類は50体ほどです。
そんな中、Faker選手が過去大会でピックしたチャンピオンの種類は、なんと70種類以上。LoLのミッドレーンチャンピオン数がおよそ70体ですので、Faker選手はほぼ全てのミッドチャンピオンを使いこなすことができ、同時に全てのチャンピオンの特性や弱点を知り尽くしています。Faker選手のチャンピオンプールの広さは他のプロプレイヤーを凌駕している
と言えるでしょう。
Faker選手の代表的なプレイ
10年以上にわたって最前線で活躍し続けているFaker選手ですが、その中でも特に10年にわたって語り継がれている伝説的なプレイがあるためご紹介します。
上記の動画では赤色のキャラクターがFaker選手で、青色のキャラクターがFaker選手と同じく10年以上にわたり活躍しており現在はLCKでコーチを務めているRyu選手です。
現在のLoLのシステムでは同じキャラを使うことはできませんが、当時のルールでは同じキャラ同士の対戦が珍しくありませんでした。
Faker選手はHPが3割ほどに対してRyu選手はほとんど満タンの状態で交戦となりました。同じキャラ同士の対戦はダメージの出し方が同じなため基本的には体力が多いほうが勝つ勝負となってしまいます。しかしFaker選手は巧みに相手のスキルのほとんどをよけてしまい残りHPがわずかながらRyu選手を倒してしまいました。このプレイは完璧なスキルドッジさえ出来れば勝てるというLoLの最高到達点のようなプレイでもあり、現在までにわたってFaker選手の強さを証明するプレイングとして語り継がれています。
LoL最強プレイヤー Faker選手伝説まとめ
今回はLoL最強プレイヤーの一人、Faker選手についてご紹介・解説させていただきました。2013年のプロデビュー以来、10年にわたりトップの座に立っているベテラン中のベテラン選手となっています。まさに、LoL界の「神」や「伝説」、「魔王」といったあだ名にふさわしい選手と言えますね。
Faker選手の伝説は今や多くのLoLプレイヤーやファンの間で語られていますが、その強さの一端を知ることができたのではないでしょうか。兵役を免除になり2023年もT1でプレイすることが確定しているため来年からもFaker選手の試合を楽しむことができます。T1が再び2連覇を果たし最強の時代を再来させるのか2024年シーズンが今から楽しみです!