CAPCOM Pro Tour 2025 WW 日本大会第3回が10月26日開幕 他方CAPCOM CUP 12のチケットに疑問の声

 株式会社カプコンが発売する『ストリートファイター6』にて、世界中のプレイヤーが年間チャンピオンを目指し、各地域で激戦を繰り広げる大会「CAPCOM Pro Tour 2025」。その大会群の一つである「ワールドウォリアー」が現在開催されている。そのうちの大会の一つ「ワールドウォリアー 日本大会」第3回大会は10月26日(日)16:30より放送開始であると10月22日に発表が行われた。

Capcom Pro Tour Japanの告知画像

 同大会は順位に応じてポイントが獲得できる5回の通常大会と、ポイント順位上位選手8名による決勝大会の全6回で構成されており、上位入賞選手は優勝賞金100万ドルの世界決勝大会「CAPCOM CUP 12(カプコンカップ トゥエルブ)」の出場権を獲得することができるのだという。

 今回中継される「ワールドウォリアー 日本大会」は「Super Region(スーパーリージョン)」と呼ばれる区分に該当し、大会成績上位者2名が「CAPCOM CUP 12」への出場権を手にすることができる。このワールドウォリアーでの2名の選出基準については以下の2つの枠が1名ずつ設けられている。

① 5回の通常大会終了時に5大会分の合計ポイント順位が1位であった選手。

② 上記の選手を除き、自身が参加した上位3大会分の合計ポイント順位上位8名によって行われる決勝大会の優勝選手。

 第1回から第5回までの全ての大会に出場することで、合計ポイントを高める事ができ、その結果出場権獲得の可能性が高まるというものである。ただし成績が振るわない回や参加ができない回があったとしても、そこをフォローする為に2番目の枠が存在する。3大会に継続してエントリーをすることで、そこで残した成績が良いものであれば、同様に出場権獲得の可能性が高まるというものだ。同大会は、JESU(一般社団法人日本eスポーツ協会)が主催する「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」にて正式採択されているeスポーツ競技『ストリートファイター6』の日本代表選手選考対象大会でもある。

 第3回の様子はYoutube、Twitchでの配信を予定しており、以下のリンクから視聴する事が可能となっている。

■YouTube

■Twitch

https://www.twitch.tv/capcomfighters_jp

 日本を含め世界各地がCAPCOM CUP 12に向けて熱狂する中で、一つ気がかりな動向が出てきている。それがCAPCOM CUP 12のライブ視聴を巡る騒動だ。

開催費を回収する工夫とユーザーの温度感

 これまでCAPCOM CUPについては会場観戦チケットは有料であったものの、オンラインライブについては無料視聴が可能というスタンスで運営が行われてきた。参考までに第11回大会については会場のアリーナSS席で平日14,000円、休日18,000円と強気の値段設定であったが、オンラインの視聴については原則無料となっている。しかし今回、9月28日に開催された東京ゲームショウ2025のステージ上で「重大発表」という名目と共に出された情報は、2026年1月31日開催の「SFL: Pro-JP 2025 グランドファイナル」および2026年3月11~15日開催の「CAPCOM CUP 12 / SFL: ワールドチャンピオンシップ2025」のいずれのイベントについても「オンライン観戦料金が設定される」というものであった。

 3月21~22日に無料公開が行われるが、SFL:Pro-JPはプレイオフとグランドファイナルそれぞれもしくはまとめ買いで3,000円から6,000円、CAPCOM CUP 12についてはそれぞれのプログラム単体では4,000円、両方まとめて観る場合は6,000円の価格設定が発表された。両イベントを通しで観ようと思えば、12,000円を支払ってオンラインで視聴する事になる。

 昨年まで無料化されていた同イベントの有料化という動きと、重大発表の中身がこの告知であった事の2点にユーザーからの不満が噴出。現状この価格設定は海外であっても一律この料金が適用される可能性が高い事もあり、海外ユーザーからも問題とする意見が出る程である。ここまで大きな反響が出ると予想していなかったのか、はたまたCAPCOM側も面食らったのか、オンライン観戦の料金については改定を表明。検討を行った上で、正式に改めて後日発表を行うとの声明をX上で投稿している。

 オンラインイベントの有償化についての懸念はeスポーツプレイヤーからも苦言が出ており「それだけの金額を払うことは出来るが、払うに値する内容なのかというと疑問が出る」という旨の意見にはおおよその視聴者が賛同を示していた。これまで無償であったものを有償化する以上に、eスポーツ競技の配信が果たして有料の娯楽として成熟しているのかどうかという点に、メーカーや競技関連団体は改めて目を向ける必要が出てきたと言ってもいいだろう。

 格闘ゲームはeスポーツの観戦タイトルの中でも割と「見て分かりやすい」要素が多い分類に入る。裾野を広げる可能性は十分あるが、それ故に慎重な姿勢を取る事がファン定着の鍵となる。有料である事を発表するにしても、古参プレイヤーや新規プレイヤーを問わず納得の行く理由と価格設定への検討が行われる事を期待したい。

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