eスポーツイベントで交流を 各地に根付くスト6プレイ文化
地域に根ざしたイベントとしてスポーツ大会などがこれまで行われてきた土壌がある中で、昨今eスポーツもその手の文化の一助として取り入れようとしている自治体の動きが多く見られる。本記事ではそういった活動をいくつかまとめて紹介する。
ストリートファイター6の留まることを知らない人気
京都府亀岡市(市長:桂川孝裕)は、市制70周年を記念し、2025年12月21日(日)に「eスポーツ大会 KAMEOKA CUP(以下、本大会)」をサンガスタジアム by KYOCERA内のeスポーツゾーンにて開催すると10月7日に発表した。同大会は、eスポーツを「年齢や経験を超えて誰もが競い合えるスポーツ文化」と位置づけ、スタジアムを核とした賑わいの創出を目指す取り組みとなっている。格闘ゲーム「ストリートファイター6」の公認大会として実施される当イベントは、初心者でも参加できる体験会等も併催。健康の増進や世代を越えた交流の増加を目指すとしている。
市制70周年記念 eスポーツ大会 KAMEOKA CUPへの参加条件は、京都府在住、在勤、在学者が1名以上含まれる3名1組のチームを組み、かつ大会当日までに15歳を迎えている事が必要である。エントリーは10月8日よりスタートするとの事だ。競技タイトルは「ストリートファイター6」となる。最大32チームの参加を見込んでおり、優勝者には特産品を贈呈するとのことだ。会場となるサンガスタジアム by KYOCERAにはeスポーツ向けの設備も充実しているとの事なので、大会へのエントリーを控えた選手や腕に自信のあるプレイヤーであれば、その実力を十全に発揮できるだろう。
併せて開催される『誰でも気軽に楽しめる「eスポーツ」体験会』では、「ぷよぷよeスポーツ」「ストリートファイター6」が競技タイトルとして設定。参加に際して一切条件が設定されていないため、ゲーム初心者であっても気軽に上級者の胸を借りる勢いで飛び込んでみてはいかがだろうか。また、11月~12月の大会前3週間の間で4回、ストリートファイター6の練習会イベントも開催するとのことだ。こちらも誰でも参加可能なため、初心者であっても気軽にエントリー出来る。練習会であるため、特に勝ち負けを気にせずどんどんとプレイ出来るのも好感触だ。
山形県米沢市のたつまち商店街振興組合および立町町内会主催の「たつまちオータムフェスタ」が、10月19日(日)午前11時から午後4時まで、立町皇大神社境内(米沢市中央2-1-13)にて開催される。同イベントではストリートファイター6の対戦イベント「たつまちカップ2025」が組み込まれており、小学生を対象とした部門と一般参加部門にそれぞれ別れてのトーナメント戦となる。

下部にたつまちカップの案内あり
ルールはシングルエリミネーション2本先取の勝ち抜け方式であり、使用機材はPS5となっている。なお備え付けのコントローラーはもちろん、ご家庭などからマイコンやアケコンの持参も許可されており、かつ当日10時までエントリーが可能と飛び入り参加大歓迎に近い状況だ。こちらも地域振興イベントの一つではあるが、同地域の団体「武将の里米沢 eスポーツ振興会」が共催元となっているため、見ごたえのあるイベントとして盛り上がりそうだ。
最後は横須賀市の様子をお届けする。同市におけるYokosuka e-Sports Projectの一環として、10月5日(日曜日)に「eスポーツ体験会Ⅳ in よこすか開国花火大会2025」を横須賀モアーズシティ 8F サンパティオで開催。初心者向けの「はじめてのスト6コーナー」のほか、現役プレイヤーの腕試しの場として「ガチバトルコーナー」を用意。eスポーツ振興に対する意気込みが感じられる内容となっていた。当日花火大会自体は中止となってしまったが、eスポーツ体験会については開催が続行され、当日は多くの参加者で賑わった。
同市はeスポーツゲーマー向けの賃貸住宅の提供や、市公認のeスポーツチームを擁しており、eスポーツに対して積極的な施策を打つ自治体として頭角を現している。同市の担当者曰く、横浜市と鎌倉市という2つの大きな文化を背負った市に挟まれている状況で、横須賀らしいモダンかつ若者に対して訴求力の高いコンテンツを持ち上げられないかと考えた結果、eスポーツを中心としたデジタルコンテンツに対し高い解像度を持つに至ったのだという。同市はメタバース上にもオリジナルコンテンツを展開し、こちらについても自治体らしからぬフットワークの軽さとクオリティの高さで話題を呼んでいる。
今回3つの取り組みを紹介したが、いずれも「ストリートファイター6」がキーコンテンツとして機能する結果となった。同作はクラシック操作として通常のコマンド入力による格闘ゲーム操作が行える他、ワンボタンで必殺技を出しコンボが決められるモダン操作というシステムを採用しており、それが初心者参入の敷居を大幅に下げているものだと思われる。実際にクラシック操作でも一定の腕がなければ、モダン操作の相手に手も足も出ないという声も聞かれている程に「強さが平準化」されている環境だ。誰もが遊びやすく、それでいて強くなりやすいツールとしてストリートファイター6のポテンシャルが高く評価された結果と言っていいだろう。今後も多くの自治体の取り組みと、eスポーツタイトルの増加に期待をしたいところである。