「eスポーツゲームクリエイターアカデミー2025冬」開催 eスポーツ産業と若年層を結びつける流れの形成

11月14日、株式会社Meta Heroes(本社所在地:大阪府大阪市、代表取締役:松石和俊、以下「当社」)は、2025年12月13日(土)・14日(日)に泉佐野市主催のもと、南海電気鉄道株式会社(代表取締役社長 岡嶋 信行、以下「南海電鉄」)、e スタジアム株式会社(代表取締役社長 加藤 寛之)他と共同企画・運営で、泉佐野オチアリーナにて開催される、全国の小・中学生を対象とした職業体験イベント「eスポーツゲームクリエイターアカデミー2025 冬」を開催する事を発表した。
本案件については2024 年春、2025 年春の開催に続く第三回目の事業となっており、泉佐野市が推進する「eスポーツMICEコンテンツ実証事業」において、「eスポーツ先進都市・泉佐野」の確立を目指すものとされている。今回のイベントにおいては小学生~中学生が対象となっており、また参加時には18歳以上の同伴者が必須となっている。今回このイベントで実施される講座の内容も含めて、10代前半までの若い世代に対象者を絞った理由を紐解いていくことにしよう。
eスポーツゲームクリエイターアカデミーとは
本イベントは先述の通り、2024年3月30日と31日にまたがって、泉佐野オチアリーナにて第一回が実施された。第一回はFortniteを利用したUGC(ユーザージェネレイテッドコンテンツ)の作成や活用といった内容から、同イベントで利用するバーチャル空間上の会場を用意するなど掴みの段階から非常に興味を引く構成となっていた。また会場にはストリーマーを呼んでのトークステージの他に、毎回ゲストとして参画する事になるプロeスポーツチーム「ENTER FORCE.36」(エンターフォースサーティーシックス)を招待しての抽選会やデモンストレーションを披露。もちろん同チームはプロとして確かな実績を残すチームである。直近の大きなタイトルでの実績としては、所属選手のHurt選手が今年開催された大乱闘スマッシュブラザーズSPの大会である「GENESIS X2」にて日本人初の優勝の栄冠に輝いている。
今回は第3回という事でFortniteのコンテンツではなく、一歩先を行くクリエイションそのものを体験する事が可能となっている。今回用意されているのは、3Dモデリングソフト「Blender」だ。多くのコンテンツで3Dモデルが当たり前の様に取り扱われる現在のゲーム市場において、クリエイターとして先んじる為にはモデリングソフトの学習が必要不可欠となっている。そういった中でBlenderはユーザー生成コンテンツ向けの無料3Dソフトとして確固たる地位を築いているのである。こちらは株式会社Meta Heroesの元モデリングデータが生成され、後日制作されたすべてのデータが1つのワールドに集められ動かす事が出来る様に設定されるのだというからその力の入れようは相当である。
関西圏でも良いイベントと機会を提供する工夫
今回のイベントが開催されるに至った背景の一つとして、子供たちのような若者のニーズの高まりが存在する。2010〜2024年生まれのいわゆる「アルファ世代」では、AI やメタバースなどのデジタルテクノロジーが生活の中に自然と組み込まれている環境で育っている「デジタルネイティブ」と括られている。乳幼児であってもタッチスクリーンの操作に習熟するなど、デジタル技術への興味や関心が高く、近年の「将来なりたい職業ランキング」では、「動画投稿者/クリエイター」「プログラマー」「ゲームクリエイター」など製作に携わる業種が上位を占めている。一方で、配信事業やクリエイティブな職業に実際にふれ、身近に学ぶ機会はまだ多くない。そしてこういったイベントの多くは、関東圏で開催される事が非常に多い。もちろん大企業の本社が集う地域である東京一円の展示会場や、それに隣接する千葉県千葉市の幕張メッセ、埼玉県のさいたまスーパーアリーナなど優秀な展示場が多いのも理由として挙げられる。
だがeSportsをはじめとしたオンライン前提のコンテンツが普及する昨今では、地域的に職能の可能性を縛る事は余り良い目では見られていない。現に関西圏には任天堂やカプコン、SNKにプラチナゲームズにディンプス、ユークスといった有名なパブリッシャーや開発企業が数多く軒を連ねている。そういった所で活躍出来る優秀な人材の発掘は、むしろお膝元である関西圏で行いたいものである。手間とコストが減るのは企業にとって良い事であるからだ。ましてユニバーサル・スタジオ・ジャパン内でのスーパー・ニンテンドー・ワールドが開設して以降、ニンテンドーミュージアムの開園も含めて任天堂勢力の強い関西圏である。将来の青田を買って育てる事は関西地域のゲーム市場の発展に大きく寄与するといっても過言ではないだろう。
去年は2日間で1000人以上の動員に成功しているイベントだけあり、今年はそれ以上の盛り上がりが期待出来そうである。