eスポーツ業界、週明けから怒涛の動き

 加熱するeスポーツ市場を象徴するような3本のニュースが矢継早に飛び込んできた週明け、いずれも興味深い様相となっている各々の情報を提示していこう。

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025 Division F 第5節、広島 TEAM iXAとREJECTのトップ争いへ

SFL JP DivisionFの組み合わせ画像

 10月17日(金)に行われた「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2025 Division F 第5節」の試合速報を株式会社カプコンが発表。同日行われた試合では広島 TEAM iXAとREJECT、DetonatioN FocusMeがそれぞれ勝ち星を拾う結果となった。現在同Division内ではiXAとREJECTはともに150ポイントを獲得。ホーム戦で対策を立てた試合で高い勝率を誇るiXAと、反対にAway戦という不利な環境にも関わらず100ポイントと圧倒的な成績を収めるREJECTが共に譲らない戦いとなっている。そこから一歩遅れる形ではあるが、DetonatioN FocusMeは110ポイントとまだまだプレーオフ選出への切符を握っている状況だ。

 同リーグの試合は次回が10月24日、残り5試合となっているが試合の動静はiXAがホーム戦2回、Away戦3回とやや勝率不利と見られる中で、同じくREJECTもホーム戦3回、Away戦2回と現在の戦績を鑑みればどちらも手厳しい試合運びとなりそうである。まだまだ別チームがプレーオフへの出場を果たすチャンスが十二分にある中で、どのチームも走りきってもらいたいものである。

REJECT、海外へ向けてアプローチ

 株式会社REJECT(本社:東京都港区、代表取締役:甲山翔也)が運営するプロeスポーツチーム「REJECT」については他にもユニークなニュースが入ってきている。FATAL FURY(餓狼伝説 City of the Wolves/CotW)部門が、2025年10月17日(金)〜19日(日)に中国・北京で開催される『SNK Championship Series 2025 Finals』(以下「SCS Finals」)に出場することを前日である16日に発表した。同リーグにはSCORE選手とLaggia選手の両名がエントリー。大会ではそれぞれベスト8まで勝ち残る健闘を見せた。

 また同社のTEKKEN部門が、2025年10月18日(土)〜19日(日)にコートジボワール・アビジャンで開催される『Paradise Game Battle 2025』(以下「PGB」)に出場することを同じく17日に通知した。こちらについてはサウジアラビア出身のRaef選手がエントリー。大会は全日程を終了し、同選手は7位で試合を終えている。TEKKEN World Tour 2025は出場した各大会の順位においてポイントが獲得できる仕様となっており、総獲得ポイント上位者が「Global Finals」へとエントリーできる資格が付与されるという。Raef選手は現在の所リーダーボードにて13位となっている。

 同チームが今後も継続的に世界進出を果たすにあたり、首位とはいかないものの10指に入る成果を残したのは、強豪チームとして爪痕を残すに十分であると言えるだろう。より一層の戦績向上を期待したい。

マーケティング強化のためにeスポーツを利用する戦術

株式会社CyberZ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:山内隆裕、以下CyberZ)の広告代理事業部は、欧州及び北米地域のマーケティング体制を強化する為に、世界的強豪eスポーツチームG2 Esportsおよび同社内のマーケティング部門チームである62 Media House(本社:ドイツ・ベルリン)と、KOL・タレントマネジメント・マーケティング支援領域におけるパートナーシップを締結したことを10月17に発表した。

 G2 EsportsはLeague of LegendsやCounter Strike2、Rainbow 6 Siegeなどのタイトルでいずれもトップ、もしくはベスト4入りを果たすトップチームであり、これまで所属選手の1位獲得回数は公式発表では100回以上、全世界のファン数は3000万人以上との発表がされている。

  CyberZは日本においては国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」の運営をおこなう事で有名な他に、サイバーエージェントグループ唯一のイベント制作会社「株式会社CyberE」を子会社に持っている。同社の主要事業がスマートフォンなどを中心とした広告展開であり、大規模イベント事業の新たな市場の開拓先を探している状況だ。北米圏を中心に人気のあるスポーツチームであるG2 Esportsと組む事で販路を広げる狙いは、日本における展開を画策するG2 Esports側においてもお互いにとってWin-Winだろう。

 今回週明けからかなり激しい動きを見せたe-Sports業界だが、それはまだまだ熱が冷める事が無い事も同時に意味している。まだまだ目の離せない展開が続きそうだ。

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