ValorantのLCQは、「Last Chance Qualifier」の略で、その名前の通り、「VCT Champions」に出場するための最後のチャンスをかけた大会です。LCQはNA、EMEA、SA、EAST ASIAの4つの地域に分けて開催されます。日本はEAST ASIA(東アジア地域)のブロックで戦います。東アジア地域のLCQでは、8チーム中3チームが日本から出場し、3チームすべてが初戦の勝利をおさめ話題にもなりました。そこで今回はValorant・LCQの日程や仕組み、2022年の大会結果について紹介していきます。
LCQとはどんな大会?
ValorantのLCQとは、年間の最後の大会「VCT Champions」に出場できる各地域の最後の代表枠を決定する大会です。ValorantのVCTは「Valorant Champions Tour」の略で、以下の構成となります。
Valorant Champions Tour |
---|
Challengers |
Masters |
Champions |
Challengersは各地域の予選、その結果によって各地域の代表チームが決定しMastersに出場します。2022年はChallengers・Mastersは各2回行われました。Challengers・Mastersの結果・勝利数によって、各チームは「サーキットポイント」を獲得します。各地域のサーキットポイント上位保有チームが「VCT Champions」に出場することができます。Valorant・LCQは、各地域でChampionsに出場できないもののサーキットポイントを多く保有しているチームが、地域最後のChampions出場の枠をかけて争います。Mastersに出場する枠は日本は1枠ありました。しかし、LCQは東アジアで統合され、日本・中国・韓国で、Champions出場最後の枠をかけて争うことになります。中国は国際大会にValorant・LCQの2022年から参戦しています。
Valorant・LCQの日程
LCQはラストチャンスといった性質上、「VCT Champions」の直前に行われます。そのため、戦略上の観点から見ると、直前までチームの情報を露出するValorant・LCQの日程を戦ったチームの方が情報戦では少し不利になってしまいます。2022年のValorant・LCQの日程はVCT全体で見て、以下のように位置づけされていました。
日程 | |
---|---|
Challengers Stage1 | 2月~3月 |
Masters Stage 1 | 4月 |
Challengers Stage 2 | 5月~6月 |
Masters Stage 2 | 7月 |
LCQ | 7月~8月 |
Champions | 9月 |
Valorant・LCQの2022年の結果
ここでは各地域の「Valorant LCQ 2022」の結果を紹介します。
East Asia地域
順位 | チーム名 | 国 |
---|---|---|
1位 | EDward Gaming | 中国 |
2位 | On Sla2ers | 韓国 |
3位 | NORTHEPTION | 日本 |
4位 | KONE ESPORTS | 中国 |
5-6位 | Crazy Raccoon | 日本 |
5-6位 | ZETA DIVISION | 日本 |
7-8位 | DWG KIA | 韓国 |
7-8位 | Maru Gaming | 韓国 |
EMEA地域
順位 | チーム名 | 国 |
---|---|---|
1位 | Team Liquid | オランダ |
2位 | M3 Champions | ロシア |
3位 | G2 Esports | スペイン |
4位 | OG LDN UTD | イギリス |
5-6位 | Guild Esports | イギリス |
5-6位 | Natus Vincere | ウクライナ |
7-8位 | BBL Esports | トルコ |
7-8位 | ACEND | オーストリア |
NA地域
順位 | チーム名 | 国 |
---|---|---|
1位 | 100 Thieves | アメリカ |
2位 | The Guard | アメリカ |
3位 | FaZe Clan | アメリカ |
4位 | Cloud9 | アメリカ |
5-6位 | NRG | アメリカ |
5-6位 | Sentinels | アメリカ |
7-8位 | Evil Geniuses | アメリカ |
7-8位 | Shopify Rebellion | アメリカ |
SA地域
順位 | チーム名 | 国 |
---|---|---|
1位 | KRÜ Esports | アルゼンチン |
2位 | FURIA Esports | ブラジル |
3位 | TBK Esports | ブラジル |
4位 | Keyd Stars | ブラジル |
5-6位 | Ninjas in Pyjamas | スウェーデン |
5-6位 | 9z Team | アルゼンチン |
7-8位 | FUSION | アメリカ |
7-8位 | E-Xolos LAZER | メキシコ |
APAC地域
順位 | チーム名 | 国 |
---|---|---|
1位 | BOOM Esports | アルゼンチン |
2位 | ONIC Esports | ブラジル |
3位 | Bleed eSports | ブラジル |
4位 | Team Secret | ブラジル |
5-6位 | ORDER | スウェーデン |
5-6位 | Made in Thailand | アルゼンチン |
7-8位 | CERBERUS Esports | アメリカ |
7-8位 | Alter Ego | メキシコ |
9-10位 | Griffin E-Sports | 香港 |
9-10位 | Fancy United Esports | ベトナム |
VCT Champions出場チーム
Valorant・LCQの結果、見事Championsに出場することが決まったチームは
Champions出場チーム |
---|
EDward Gaming |
Team Liquid |
100Thieves |
KRÜ Esports |
FURIA Esports |
BOOM Esporst |
の6チームでした。
日本からは「NORTHEPTION」、「Crazy Raccoon」、「REJECT」が出場し、全てのチームが初戦を勝ったものの、優勝はできず、Championsの出場権は「EDward Gaming」に譲る形になりました。特に「NORTHEPTION」は、昨年のValorant・LCQでも上位入賞しながらも、Champions出場は逃していたので、非常に悔しい結果になってしまいました。
Champions出場チーム・注目選手紹介
ここでは見事Valorant・LCQを勝ち進みChampions出場を決めたチームとその注目選手を紹介していきます。
EDward Gaming
「EDward Gaming」は圧倒的な破壊力を元に、「Valorant LCQ 2022」では1マップも落とすことなく優勝を決めたチームです。中国のチームが国際大会に出場するのは初めてのことで、とてもインパクトのあるデビューを果たしました。注目選手は「Zmjjkk(カンカン)選手」です。全員が圧倒的なAIM力を持つEDward Gamingの中でも、さらに1番と言われているのがZmjjkk選手です。Valorant・LCQでは前評判通りの活躍を見せ、合計9マップ戦ったうちの5マップでゲームMVPを獲得しています。日本の「NORTHEPTION」との「ヘイブン戦」では合計40ラウンドにもなる長期戦を戦い、Zmjjkk選手は40キルの大活躍をしました。
Team Liquid
「Team Liquid」は選手個人個人の高いAIM力が特徴のチームです。2021年のChampionsもValorant・LCQから勝ち上がり出場しています。LCQでは他のチームが出してこない「フェニックス」を含んだ構成などで戦っており、マップごとのピックにも注目したいチームです。注目選手は「ScreeM選手・Nivera選手」です。二人は実の兄弟で、高い連携力を持ってます。またチームの特徴である高いAIM力ももちろん持っており、Nivera選手は過去にはデビュー戦でエースを決めるといったこともありました。
100Thieves
「100Thieves」は2021年の「Maseters Stage3」以来の国際大会出場を決めたチームです。ヴァロラントの大会を見ている人からは待ち望んだ国際大会出場になりました。「Valorant LCQ 2022」では元世界王者の「Sentinels」にゲームカウント2-1で勝利すると、「Cloud9」、「FaZe Clan」、「The Guard」相手に全てストレートで勝利しています。注目選手は「Asune選手」です。「Maseters Stage3」以降、大きくロースターを変更し、チームに残ったのは「Asuna選手」だけでした。19歳(2022年9月現在)ながらも、チームを引っ張り念願のChampions出場を達成に大きく貢献しました。LCQでの「Sentinels戦」では、チームを救う2度のエースも決めています。
KRÜ Esports
「 KRÜ Esports」は昨年のChampionsで世界4位に輝き、大躍進をとげたチームです。これまで行われたValorantの国際大会全てに出場している唯一のチームにもなっています。独特なリズムや力強い攻撃が印象的です。注目選手は「Mazino選手」です。これまでセンチネルの「セージ」をメインピックとして、大会で活躍してきました。「セージ」ピックながらも、ACSがデュエリスト並みに高く、「最強のバトルセージ」として知られています。他の選手からは想像できない「バリアオーブ」を使用したりし、積極的に撃ち合いに行く姿は見ていて爽快なのでぜひ注目してみてください。
FURIA Esports
「FURIA Esports」は2021年もValorant・LCQを勝ち上がり、Champions出場を決めていたチームです。今大会で国際大会出場は2度目になります。撃ち合いに自信のある選手が多く、どんどん他のチームとしては「今出てくるの?」と思うようなタイミングでも勝負して勝っていくようなスタイルのチームです。注目選手は「dgzin選手」です。チームのエースとして活躍し、非常に強気な勝負をしてくることが印象的な選手です。「ブラジル地域らしい」見ていて、気持ちがいいくらいの強気な勝負をしていくので気になった方はぜひチェックしてみてください。
BOOM Esports
「BOOM Esports」は「Valorant LCQ 2022」の結果を受けてインドネシアチームとして初めて国際大会出場を決めたチームです。全員が広いピックプールを持っており、マップごとにどんどん構成が変わることが特徴のチームです。注目選手は「Tehbotol選手・famouz選手」です。「Tehbotol選手」は少人数戦でも一人で打開してしまうような撃ち合いの強さ・上手さを兼ね備えた選手です。「famouz選手」はAPACのVCT・LCQで全体で5位のACSを獲得してます。安定した火力を出し続ける、チームの中心核ともなる選手です。
VCT・Champions出場チーム
Valorant・LCQから勝ち上がったチームを含めた「VCT Champions 2022」の出場チームは以下になります。
VCT Champions 2022出場チーム |
---|
Optic Gaming |
XSET |
100Thieves(LCQ) |
Fnatic |
Team Liquid(LCQ) |
Paper Rex |
XERXIA |
BOOM Esports(LCQ) |
KRÜ Esports(LCQ) |
FURIA Esports(LCQ) |
Leviatán |
ZETA DIVISION |
DRX |
LOUD |
EDward Gaming(LCQ) |
日本からは「VCT Masters 2022 Stage1」で世界3位に輝いた「ZETA DIVISION」が出場します。
まとめ
今回はValorant・LCQの大会の仕組みや日程、2022年の各地域の結果について紹介してきました。今年はこれまで国際大会に出場したことがない国のチームが勝ったりしていたことが分かりましたね。日本チームは「Valorant LCQ 2022」を勝ち上がることはできなかったもののChampionsには「ZETA DIVISION」が出場します。過去の世界3位の記録を更新できるのか注目ポイントですね。