VSPO! SHOWDOWN 2026開催 VTuberとプロプレイヤーの架け橋

国内最⼤級のeスポーツブランド「RAGE(レイジ)」は、株式会社Brave groupが運営する『次世代 Virtual esports Project「ぶいすぽっ!」』と共に、2026年3月21日(土)・22日(日)の2日間にわたり、有明アリーナにて『VSPO! SHOWDOWN 2026  powered by RAGE』を開催することを11月26日に発表した。

 同イベントは2025年3月に両国国技館で開催された第1回の好評を受け計画されたものである。その人気ぶりたるやチケットは即日完売し、当日の様子がSNSで数多くトレンド入りするなど、大きな反響を起こしている。YouTubeで公開中のアーカイブ動画は、総再生回数が395万回(11月25日現在)を超え、いまも再生回数を伸ばしている状況にある。第1回の2日間の様子を撮影した動画は、両日共に8時間、イベント全体の様子をノーカットで配信するというパワープレイ気味の動画となっている。

 イベント内容としては5つのゲームタイトルを用意し、それぞれにぶいすぽっ!所属のVTuberがエントリー。対戦相手は現役プロ選手や元プロ選手、ストリーマーといった腕に覚えのある相手ばかり。この時点でいわゆる素人相手のお手盛りプレイではなく、お互いに相応の実力を持ったプレイヤー同士がしのぎを削る「ガチンコの勝負」である事は明らかだ。今回の第2回も相応のプログラムが用意されているとの事である。

 今回もまた多くの観客が動員されそうなこの企画であるが、その立ち位置も含めて紐解いていくことにしよう。

ぶいすぽっ!とは?

 正式名称「ぶいすぽっ! Virtual eSports Project(ぶいすぽバーチャルイースポーツプロジェクト)」は、株式会社バーチャルエンターテイメント(株式会社Brave groupのグループ企業)が運営するVTuberプロジェクトを指す。日本向け20名と英語圏向け5名の総勢25名が在籍しているいわゆる箱タイプのVTuberプロジェクトであるが、このプロジェクト最大の特徴は、所属しているメンバーがそれぞれ得意とするゲームに対し一定の腕前を持つ事である。配信者向けのトーナメント制大会はいくつも企画されているが、本プロジェクト参加メンバーはPUBG、Apex Legends、Rainbow Six SiegeやVALORANT、果てはストリートファイター6といったタイトルでそれぞれ優勝などの確かな成績を残しているのだ。

 また配信活動やeSports大会への出場といったことの他に、アニメーション作品や公式グッズの作成といったキャラクタービジネスについても展開を行っている。この点を見れば企業発のバーチャルYouTuberとしてきちんと運営がなされていると共に、IPをしっかりと活用している様子が見て取れる。

 だがこのぶいすぽっ!という存在は、意外にも「ありそうでなかった」ニッチな需要を大きく掘り起こす事に貢献していると考えられるのだ。

プロプレイヤーとVTuberの隙間

 ぶいすぽっ!は登録されているメンバー全員がある程度のゲームの腕前を備えており、それはプロプレイヤーとも渡り合える程にハイレベルなものである。通常これだけのメンバー数を囲うだけでも大変に難しく、加えてバーチャルYouTuberとして本プロジェクトに登録されている「中の人」は女性プレイヤーである。スポーツ系タイトルにおいて絶対的にプレイヤー人口が少ないというハンデをものともせず、配信活動へ適性があるかどうかをきちんと見定めてキャスティングをしている。単純にキャラクターの可愛さやトークの良さ以上に「ゲームが非常に上手い配信者たちの大所帯」という独特な立ち位置に居るのである。にじさんじやホロライブといった大手プロダクションは存在するが、そういったところの面々がすべてゲームが上手い人間とは限らない。またゲームとのタイアップ企画で、担当している声優がゲームをプレイするというシチュエーションは増えてきているが、それもゲームが上手い声優ばかりではないのだ。

 またプロプレイヤーに肉薄する腕前という面もとてもユニークだ。「選手として顔を出すのが当たり前」というプロプレイヤーに対して、ぶいすぽっ!の面々はアバターを用いて配信を行っている事から「リアルのプレイヤーの顔を見る実況などは苦手だが、プロに近い腕前でアバター配信をしているならば見てみたい」という需要を掘り起こす事にも成功している。

 こういった両面の要素から見るに、ぶいすぽっ!というプロジェクトそのものが独特の隙間にぴったりフィットしているのがよく分かるだろう。そしてそれをエンターテイメントとして昇華していく事で、今まで興味の無かったユーザー達を惹きつけていくカンフル剤となる可能性があるのだ。少しでもeスポーツに興味を持つ人々を増やすべく展開される今回のイベント、どれだけの人出となるのか大いに注目が集まっている。

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