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日本でもeスポーツが非常に盛り上がりを見せており、大会を視聴する層も増えてきました。eスポーツの大会を見ていると実況・解説がIGLという言葉を使って話しているシーンをたびたび目にしますね。しかし、大会を見始めたばかりのプレイヤーからするとIGLとはいったい何なのかわからないと思います。実はチームを組んで行う対戦型のゲームではIGLは非常に重要な役割を果たしています。

そこで今回はいまさら聞けないゲーム用語の一つとしてIGLの意味を紹介していきます。また、自分でIGLをやる際の立ち回りや練習方法についても紹介するのでぜひチェックしてみてください。

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引用:Shutterstock

IGLとは

「IGL」とは「In Game Leader(インゲームリーダー)」の略称です。チーム内でゲーム中に作戦を決めたり、状況から次に行うべき行動を判断し、チームに指示を出す役割です。チームの指揮官となり、勝利に導くための行動を選択する非常に重要な役割ですね。FPS系のゲームのIGLではエイム力や一人の立ち回りだけでなく、周囲の状況の把握も必要で広い視野・冷静さが必要不可欠になります。「FPS」とは「First Person Shooter」の略で「一人称のシューティングゲーム」を表しています。過去には「オーダー」や「コーラー(コールする人)」なんて呼ばれ方もしていましたね。

なぜIGLが必要なのか

主な理由はチームの意思統一をわかりやすく行うためです。チームを組んで戦う対戦型のゲームでは基本的にゲーム内VCや通話を通してお互いに話をします。全員がやりたいこと、するべきだと思うことを話してしまうと通話内が混雑して結局全員そろって何かアクションを起こすということが難しくなってしまいます。もちろんそのような状況になるとチーム戦なのに、相手チームに個人で挑むような形になったり、動きのテンポが合わなくなったりと自分のチーム状況が苦しくなっていきます。

そこで必要なのがIGLです。チームの指揮をとるプレイヤーを一人決めておくことによって簡単にチーム全員の意思統一ができるようになります。IGLの意味や必要性がわかってきましたね。

サブIGLの必要性

チームによってはIGLともう一人サブIGLを用意する場合があります。IGL一人に負担をかけすぎないようにともに状況整理をしたり、次の行動の選択肢を提案したりする役割ですね。実際にゲームをプレイしているプレイヤーならわかる人も多いと思いますが、チームメイト・敵の動きを考え、さらにチームメイトに指示を出しながら自分も戦うという行動は非常に脳のリソースを割かれ、撃ち合い・戦闘において集中することが難しくなります。普段の戦闘のポテンシャルを出せないなんてことも多々あります。ValorantではIGLと呼ばれているプレイヤーがチーム内トップのスコアを出しているということは珍しいですよね。

もちろんIGLをしているプレイヤーがデュエリストを使わない傾向にあるというのも理由の一つにはなっていますが、IGLと戦闘の両立の難しさを物語っていますね。そんな状況を避けるために必要となってくるのがサブIGLというわけですね。ただうまくサポートできなければサブIGLの意味がありません。事前にどういう情報があればIGLが助かるのかを話し合っておくといいかもしれませんね。

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IGLに向いているプレイヤーは

IGLに向いているプレイヤーは決断力があるプレイヤーです。eスポーツにおいて時間は非常にシビアなものです。決断に迷っている数秒でさえ状況が刻一刻と変化していきます。そのため即断即決ができるプレイヤーがIGLに向いています。ValorantやAPEXではIGLがすぐに判断できないと、気づいた時には状況が一変していることもありますね。

また、eスポーツはメンタルスポーツともいわれています。自信を持って決断する、それだけでチームの士気が上がり勝利に近づきます。もちろん先に紹介したように周囲の状況を冷静に把握する能力も必要不可欠です。「eスポーツ」とは「エレクトロニック・スポーツ」の略でコンピュータを使った競技性のあるゲームをスポーツとして扱う時に使用されます。

IGLの立ち回り

ここまででIGLの意味は十分分かってきたと思います。ここからはIGLのチーム内での立ち回りを紹介していきます。

正確な言葉を使う

一つ目は「正確な言葉を使う」ということです。IGLのプレイヤーが少しでもチームメンバーに伝わらないような言葉を使ってしまうと、チームの行動がそろうまでわずかなラグが生じます。相手がうまかった場合はそれだけでチーム崩壊につながります。正確なポジション、状況をチームに正しく伝えるということはIGLにとって必須の立ち回りです。

シンプルに伝える

二つ目は「シンプルに伝える」ということです。IGLが長々と指示してしまうとほかのチームメイトの連携の邪魔になってしまうことがあります。

また、自分がシンプルに伝えることによって自分も話す時間が減り、戦闘に脳のリソースを割き集中することができます。チームによってはデスしたことによる謝罪「ごめん」をコールに必要ない言葉として禁止するチームもありますね。

チームの士気を高める

三つ目は「チームの士気を高める」ということです。eスポーツはメンタルスポーツでもあります。チームのムードが壊れてしまえばそれだけでチーム内の連携が崩れ、さらにムードが悪くなるといった悪循環が生まれます。Valorantでも特に野良でプレイしていて、ムードが最悪で負けてしまったなんて経験をしたことがあるプレイヤーも多いのではないでしょうか。そのためIGLはチームの士気を高め、ムードをよくする必要があります。

IGLに限らずチーム全体に言えることでもありますね。IGLの負担を減らしたいという場合にはムードメーカー的な役割もこなせるプレイヤーをチーム内に入れるというのもいいかもしれませんね。

全体の状況を把握できるポジション・キャラクターを使う

最後に紹介するIGLの立ち回りは「全体の状況を把握できるポジション・キャラクターを使う」ということです。例えばValorantではエントリーをするようなキャラクターはIGLをするプレイヤーは使わないようにしたいですね。なぜなら先に紹介したようにIGLを行った状態では撃ち合いに自分のベストな状態で臨むことが難しいからです。

それだけではありません。エントリーキャラクターはチーム内でも最初にキルされてしまうことが多いポジションです。自分がデスしてしまうと自分のプレイでチームに介入できないことも理由の一つです。自分のプレイでチームに介入できないとなると、デス後はむしろ生存しているチームメイトに任せたほうがうまくいくことが多いです。IGLもエントリーしていくデュエリストも魅力的で両方やりたいというプレイヤーもいると思いますが、この二つを無理に両立させようとするのは避けるべきといえるでしょう。

APEXのIGLは周囲の状況を確認しやすいキャラクターを使うことが多くありますね。

IGLの練習方法

では一体IGLの技術を磨くためにはどんな練習をしたらよいのでしょうか。

プロのIGLプレイヤーを参考にする

まずはトッププロとしてそのゲームの最前線で活躍しているIGLのプレイヤーがどんなことを考えて、どんな指示を出しているのかを参考にしてみましょう。ただ見ているだけでなく、なぜこういった選択を取ったのかを考えながら見るとよりベターですね。

APEXではIGLのプレイヤーたちがリーダーとなり、チームメイトをドラフトで決定する「IGL MASTERS」と呼ばれる招待制ドラフト大会も開催されています。チームを普段から組んでいないプレイヤーともIGLでAPEXのトッププロを勝利に導く姿が見られるので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

とりあえず指示をしてみる

IGLを始めようと思ったらとりあえず自分のしたい立ち回りを指示してみましょう。いきなりうまい完璧なIGLをしようとしてもまず無理です。自分のしたい立ち回りを指示することによって徐々に指示出しという行為に慣れていきましょう。指示を出すことに慣れてから立ち回りなどを研究することをおすすめします。

一緒にプレイしたプレイヤーと話しをする

何よりも一緒にプレイしたプレイヤーと話しをすることが重要です。自分のIGLの良かった部分、ダメだった部分のフィードバックをもらうことができます。

また、それだけではなく今後も同じメンバーでチームを組むのであればチームメンバーの意見を聞くことは非常に重要になります。メンバー・自分の得意なこと、やりたいことを共通認識にすることによってスムーズなIGLができるようになります。

国内トップIGL(APEX)

IGLとはAPEXにおいても重要な役割を果たしています。そこで最後に国内トップのIGLとしてAPEXで活躍しているプレイヤーを紹介していきます。

YukaF(Fnatic)

eスポーツ 有名選手 YukaF
引用:FNATIC YukaF公式Twitter
@IQ200YukaF

まず紹介するのは昨年の世界大会で世界4位に輝き、ALGS Year3 APAC Northリーグ予選でもプレースメントポイントトップで世界大会進出を決めたFnaticのIGLを務めるYukaFです。YukaFのAPEXのIGLで特に注目してほしいのは戦闘の押し引きのタイミングです。APEXの中でもAPAC Northは第三・四部隊の介入、漁夫の多い地域といわれています。その中でもYukaFは戦闘を仕掛けるタイミングや引くタイミングを冷静に判断して、漁夫に巻き込まれないようなタイミング・状況で戦闘を仕掛けていきます。むしろ最高のタイミングで漁夫をすることもありますね。

ただし、YukaFの戦闘面は常人離れしたキャラクターコントロールを用いるため、戦闘に関しては参考にすることができないかもしれませんね。

saku(PULVEREX)

IGL saku
引用:PULVEREX(パルブレックス)公式Twitter
@PULVEREX

PULVEREXといえば正確な安置読みが魅力的なチームです。もともとIGLを務めていたLejettaがチームを去り、ALGS Year3からIGLをすることになったのが当時サブIGLとして活躍していたsakuでした。Lejettaが抜けた後も正確な安置読みが健在でALGS Year3 APAC Northリーグ予選は全体の7位の順位で世界大会進出を決めています。

現在のPULVEREXはsakuをIGLに据えながら、チームメンバーのFtyan、ShunMiも積極的に意見を言い支えあうような体制になっています。チームとしての方針のまとめ方・安置に動くタイミング、とるポジションを参考にしたいプレイヤーはぜひsakuのプレイを一度見てみてください。

まとめ

今回はいまさら聞けないゲーム用語の一つ・IGLについて紹介してきました。IGLとはチームの指揮をとるだけでなく、チームの士気も支える重要な役割でしたね。本気でゲームに取り組んでいきたいならば、チームにIGLは絶対に必要です。戦闘面だけに集中することは難しくなりますが、自分の作戦・立ち回りがバッチリハマった時の高揚感は言葉にできないほどです。ぜひ一度IGLを経験してみてはいかがでしょうか。IGLを経験することで、次にIGL以外の立場でチームでプレイすることになっても、IGLのサポートをうまくできるようになっているはずです。

IGLのよくある質問

ここではいまさら聞けないゲーム用語・IGLに関してよくある質問を3つ回答していきます。


IGLはlolプレイヤーにもいるの?


もちろんlolのプロプレイヤーたちにもIGLが存在します。lolでもほかのゲームと同様にチームの動きの方針を決めるために全体の戦況の把握が重要な能力になってきます。MOBAはチーム単位でも動きも非常に重要になってくるのでそういった意味ではFPS系のゲームよりもIGLの存在は重要かもしれませんね。

IGLと別のゲーム用語のスマーフとは?


スマーフとはゲームの上級者のプレイヤーがサブアカウント、スキルマッチなどを利用して初心者と意図的に同じマッチに参加する行為です。上級者であれば初心者を一方的に倒すことは容易なので悪質な行為として問題視されています。

APEXのIGLトップ選手は誰?


APEXの世界大会にも出場した選手の中で世界的に見てIGLトップ選手と呼ばれているのはTSM所属・ImperialHal、NRG所属・sweet、世界大会2連覇を果たしたDarkZero所属・Zer0です。このほかにもSCARZ  EU所属・rprなど世界大会には素晴らしいIGLがたくさん出場してくるのでぜひチェックしてみてください