2023年6月28日からVCTアセンショントーナメントパシフィックが開幕。10の国と地域のChallengersリーグで優勝した代表チームが集まります。日本からはSCARZが出場。7月9日にはグランドファイナルが行われVCTパシフィックリーグに来年から参加するチームが決まりました。
そこで今回はVCTアセンショントーナメントパシフィックの結果について紹介していきます。日本のSCARZはグランドファイナルまで進出するもののグランドファイナルで敗北。パシフィックリーグ出場まであと1歩届きませんでしたがどんな大会になったのでしょうか。
©Riot Games
アセンショントーナメント出場チーム
グループアルファ | グループオメガ |
BOOM Esports | Bleed eSports |
Fancy United Esports | Bonkers |
NAOS Esports | Dplus |
ONE Team | Orangutan |
XERXIA | SCARZ |
アセンショントーナメントグループステージ結果
ここからはアセンショントーナメントグループステージ結果について見ていきましょう。グループステージでは全7日程の内、5日程が終了してもグループステージ突破確定チームが現れない、グループアルファに至っては全チームが最下位になる可能性があるといった超激戦に。
XERXIA vs ONE Team
XERXIA獲得ラウンド | マップ | ONE Team獲得ラウンド |
14 | アセント | 12 |
11 | ヘイブン | 13 |
13 | バインド | 10 |
NAOS Esports vs Fancy United Esports
NAOS Esports獲得ラウンド | マップ | Fancy United Esports獲得ラウンド |
9 | フラクチャー | 13 |
13 | パール | 10 |
13 | アセント | 6 |
SCARZ vs Bonkers
SCARZ獲得ラウンド | マップ | Bonkers獲得ラウンド |
13 | バインド | 6 |
13 | フラクチャー | 6 |
- | ロータス | - |
Bleed eSports vs Oragutan
Bleed Esports獲得ラウンド | マップ | Oragutan獲得ラウンド |
13 | パール | 6 |
12 | バインド | 14 |
13 | フラクチャー | 10 |
ONE Team vs BOOM Esports
ONE Team獲得ラウンド | マップ | BOOM Esports獲得ラウンド |
9 | スプリット | 13 |
13 | アセント | 6 |
13 | バインド | 8 |
Fancy United Esports vs XERXIA
Fancy United Esports獲得ラウンド | マップ | XERXIA獲得ラウンド |
13 | フラクチャー | 4 |
13 | スプリット | 7 |
- | アセント | - |
Bonkers vs Dplus
Bonkers獲得ラウンド | マップ | Dplus獲得ラウンド |
13 | フラクチャー | 9 |
15 | バインド | 13 |
- | ロータス | - |
Oragutan vs SCARZ
Orangutan獲得ラウンド | マップ | SCARZ獲得ラウンド |
6 | アセント | 13 |
10 | フラクチャー | 13 |
- | パール | - |
BOOM Esports vs Fancy United Esports
BOOM Esports獲得ラウンド | マップ | Fancy United Esports獲得ラウンド |
13 | アセント | 3 |
13 | ヘイブン | 10 |
- | パール | - |
XERXIA vs NAOS Esports
XERXIA獲得ラウンド | マップ | NAOS Esports獲得ラウンド |
9 | バインド | 13 |
13 | ロータス | 11 |
13 | アセント | 8 |
SCARZ vs Bleed eSports
SCARZ獲得ラウンド | マップ | Bleed eSports獲得ラウンド |
5 | フラクチャー | 13 |
14 | パール | 12 |
12 | ロータス | 14 |
Dplus vs Oragutan
Dplus獲得ラウンド | マップ | Orangutan獲得ラウンド |
13 | バインド | 4 |
9 | ヘイブン | 13 |
13 | アセント | 5 |
Funcy United Esports vs ONE Team
Fancy United Esports獲得ラウンド | マップ | ONE Team獲得ラウンド |
13 | スプリット | 8 |
13 | アセント | 11 |
- | ヘイブン | - |
NAOS Esports vsBOOM Esports
NAOS Esports獲得ラウンド | マップ | BOOM Esports獲得ラウンド |
13 | アセント | 11 |
10 | パール | 13 |
13 | バインド | 10 |
Dplus vs Bleed eSports
Dplus獲得ラウンド | マップ | Bleed eSports獲得ラウンド |
15 | フラクチャー | 13 |
13 | ロータス | 8 |
- | バインド | - |
ONE Team vs NAOS Esports
ONE Team獲得ラウンド | マップ | NAOS Esports獲得ラウンド |
10 | アセント | 13 |
5 | スプリット | 13 |
- | バインド | - |
Oragutan vs Bonkers
Orangutan獲得ラウンド | マップ | Bonkers獲得ラウンド |
8 | パール | 13 |
6 | ヘイブン | 13 |
- | スプリット | - |
BOOM Esports vs XERXIA
BOOM Esports獲得ラウンド | マップ | XERXIA獲得ラウンド |
13 | ロータス | 5 |
6 | スプリット | 13 |
13 | アセント | 8 |
Bonkers vs Bleed eSports
Bonkers獲得ラウンド | マップ | Bleed eSports獲得ラウンド |
11 | ロータス | 13 |
8 | パール | 13 |
- | ヘイブン | - |
Dplus vs SCARZ
Dplus獲得ラウンド | マップ | SCARZ獲得ラウンド |
6 | ヘイブン | 13 |
7 | スプリット | 13 |
- | フラクチャー | - |
アセンショントーナメントグループステージ最終結果
アセンショントーナメントグループステージ結果をグループごとに順位表を見て確認していきましょう。
グループアルファ
順位 | チーム名 | 勝利-敗北 | 獲得マップ-喪失マップ | 獲得ラウンド-喪失ラウンド | ラウンド得失差 |
1位 | NAOS Esports | 3-1 | 7-4 | 129-113 | +16 |
2位 | BOOM Esports | 2-2 | 6-5 | 119-110 | +9 |
3位 | Fancy United Esports | 2-2 | 5-4 | 94-91 | +3 |
4位 | XERXIA | 2-2 | 5-6 | 110-125 | -15 |
5位 | ONE Team | 1-3 | 3-7 | 104-117 | -13 |
グループオメガ
順位 | チーム名 | 勝利-敗北 | 獲得マップ-喪失マップ | 獲得ラウンド-喪失ラウンド | ラウンド得失差 |
1位 | Bleed eSports | 3-1 | 6-4 | 124-108 | +16 |
2位 | SCARZ | 3-1 | 7-2 | 109-80 | +29 |
3位 | Bonkers | 2-2 | 4-4 | 85-88 | -3 |
4位 | Dplus | 2-2 | 4-5 | 98-97 | +1 |
5位 | Orangutan | 0-4 | 2-8 | 82-125 | -43 |
グループオメガでは特に直接対決の結果が重要な結果となりました。勝敗数は同じもののBleed eSportsがSCARZに直接対決で勝利、BonkersがDplusに直接対決で勝利していることからBleed eSportsが1位、Bonkersが3位となっています。
アセンショントーナメントプレイオフトーナメント表
©VCT Pacific @ Ascension@vctpacific
アセンショントーナメントのプレイオフはシングルエリミネーションで1度負けたら即敗退。対戦スケジュールは次のようになります。
- Match1:SCARZ vs Fancy United Esports
- Match2:BOOM Esports vs Bonkers
- Match3:NAOS Esports vs Match1勝者
- Match4:Bleed eSports vs Match2勝者
- グランドファイナル:Match3勝者 vs Match4勝者
アセンショントーナメントプレイオフ結果
ここからはアセンショントーナメントプレイオフの結果を見ていきましょう。
SCARZ vs Fancy United Esports
SCARZ獲得ラウンド | マップ | Fancy United Esports獲得ラウンド |
13 | スプリット | 9 |
17 | バインド | 15 |
- | アセント | - |
BOOM Esports vs Bonkers
BOOM Esports獲得ラウンド | マップ | Bonkers獲得ラウンド |
13 | ヘイブン | 6 |
13 | パール | 11 |
- | ロータス | - |
NAOS Esports vs SCARZ
NAOS Esports獲得ラウンド | マップ | SCARZ獲得ラウンド |
11 | パール | 13 |
13 | アセント | 11 |
3 | フラクチャー | 13 |
Bleed eSports vs BOOM Esports
Bleed eSports獲得ラウンド | マップ | BOOM Esports獲得ラウンド |
12 | ロータス | 14 |
13 | パール | 10 |
13 | ヘイブン | 10 |
SCARZ vs Bleed eSports
SCARZ獲得ラウンド | マップ | Bleed eSports獲得ラウンド |
9 | ヘイブン | 13 |
2 | バインド | 13 |
8 | フラクチャー | 13 |
- | アセント | - |
- | ロータス | - |
SCARZグランドファイナルで敗北
SCARZはグループステージから順調に勝ち進めグランドファイナルに進出。グランドファイナルではグループステージで唯一敗北したBleed eSportsとのリベンジマッチになりました。
立ちはだかる世界大会経験プレイヤー
グランドファイナルでSCARZの前に大きく立ちはだかったのはBleed eSportsのsScary。これまでMastersに3回、Championsに2回と国際大会に5回出場したことのある経験豊富なプレイヤーです。
ファーストマップのヘイブンでは前半3-9折り返しでSCARZは苦しんだものの、後半に盛り返し。9-12でOT突入も見え始めた第22ラウンドもSCARZがうまく対応して人数状況4-1の圧倒的有利状況。しかし、ここでsScaryがオーメンとして完璧な立ち回り・エイムでACE+1vs4クラッチを決めてラウンド・マップを獲得していきました。
sScaryは実はインターナショナルリーグのチーム5チームからオファーを受けていたプレイヤーです。しかし、自身の目標をChampions Tourでの優勝と家族を養うことの2つとし、家族を養うという面からBleed eSportsへと移籍しました。
そしてわずか1年でアセンショントーナメントで優勝し、インターナショナルリーグについに参加。インターナショナルリーグで戦う実力も十分と証明した素晴らしいプレイヤーですね。
Bleedの対応
この試合ではSCARZに対するBleed eSportsの素晴らしい対応も数多く見られました。SCARZは特にバインドではその対応に苦しめられました。
SCARZはバインドではレイナを入れた少しメタから外れたとがった構成。Bleed eSportsはSCARZのその構成に対してエントリーに使用してくるアビリティをすべて読み切っているのかというレベルの素晴らしい対応を何度も見せつけました。結果として13-2でBleed eSportsがこのマップは圧勝することとなりました。
SCARZの活躍
グランドファイナルで敗北し、パシフィックリーグ出場を逃したものの、SCARZのアグレッシブなスタイルの活躍は大きなインパクトを残していきました。
Allenの強さ
今大会のAllenの活躍は素晴らしいものがありました。時にはクラッチ率100%と驚異的なスコアを残す試合もありました。クラッチ力以外にも高いエリア保持能力でSCARZを支えていました。特に攻撃側では相手に情報を取らせないように1人でエリアをコントロールしながら、人数をかけて詰めてこられてもキルされない動き、時にはラークをして切り開く動きが数多く見られました。
そのほかにも防衛側では強気なポジションで待ち受けてマルチキルを獲得する姿も見られました。VCJグランドファイナルのアセントで見せたフラッシュからの3キル以降、大きくレベルアップしたようにも感じますね。
Jemkin&Kr1stalの圧倒的パフォーマンス
VCTアセンショントーナメント全体を通して高いパフォーマンスを見せ続けたのがJemkinとKr1stal。ACSランキングではJemkinが1位、Kr1stalが4位に輝いています。ヘッドショット率が50%を超えるマップもあり、驚異的な強さを見せてくれましたね。
JemkinはグランドファイナルのBleed eSports戦ではうまい対応に苦しめられ、バインドではまさかの0キル。それでも最終マップのフラクチャーでは29キル15デスの活躍で復調し、チームを引っ張ったりしていました。0キルのマップがありながらもACSランキングで1位に輝いていることから、どれだけJemkinがこのアセンショントーナメントで活躍してきたのかがわかりますね。
タイムアウト後のラウンド取得率
SCARZで注目してほしいのがタイムアウト後のラウンド取得率の高さ。VCJのころからかなり目立っていましたね。SCARZの公式YouTubeチャンネルに投稿された動画では選手全員がFadezisコーチの才能・努力のすごさを理解し、お互いにリスペクトしあっているような関係性の高さも見られました。
コーチの技量だけでなく、選手・コーチ間の信頼関係がしっかりとできているからこそ、タイムアウト後のラウンド取得率が高かったのかもしれませんね。
VCTアセンショントーナメントパシフィック最終結果
©VCT Pacific @ Ascension@vctpacific
1位 | Bleed eSports |
2位 | SCARZ |
3-4位 | NAOS Esports |
3-4位 | BOOM Esports |
5-6位 | Fancy United Esports |
5-6位 | Bonkers |
7-8位 | XERXIA |
7-8位 | Dplus |
9-10位 | ONE Team |
9-10位 | Orangutan |
これによってBleed eSportsは2024年と2025年の2年間、VCTパシフィックリーグに参加することができます。
まとめ
今回はVCTアセンショントーナメントパシフィックの結果について紹介してきました。SCARZは安定した強さを見せ、グランドファイナルまで進出しましたが、Bleed eSportsの素晴らしい対応の前に優勝・パシフィックリーグに進出することは叶いませんでした。来年こそは日本リージョンのチームが優勝してほしいですね。
アセンショントーナメントは終わりましたがまだまだValorantの大会は続きます。2023年7月18日からはZETA DIVISION、DetonatioN FocusMeが出場するVCT LCQパシフィックが開幕。Champions出場の最後の1枠をかけた戦いをお見逃しなく。