宿泊先でもハイスペックPCでイベントに備えられる!ホテルニューオータニ博多の「eスポーツルーム」が進化

 eSportsを嗜むプレイヤーの中で、パソコンを対象としたタイトルをプレイするユーザーは大体高スペックのPCを自宅に用意している。もちろんカスタマイズした愛機でパーフェクトなプレイが出来れば言う事無しである。ただし自宅でゲームをいつでも出来るかといえばそうではない。学生でもある程度機会はあるが、社会人ともなればつきまとうのが出張だ。最近では配信を行っているプレイヤーも増えており、選手でなくとも遠出しホテルに宿泊しなければならない機会は多いだろう。出先でも練習はしたいが、昨今のネットカフェではそこまでハイスペックなPCを置いている部屋が空いている状況はあまり無くなってしまっている。

 そういった状況下で問題となってくるのは、配信を開始したり人気タイトルをプレイ出来るPCの存在だ。遅延を気にする様なタイトルであればクラウドゲーミング系サービスはお断りであり、せめて高スペックのマシンでゲームをしたいものである。昨今はゲーミングノートパソコンという選択肢もあるにはある。ノートパソコンながらグラフィックメモリが6GBや8GBといったモデルのビデオカードを積んでいるPCも少なくない。

 だがここで最大の問題となってくるのが、ゲーミングノートパソコンの重量だ。LEVEL-17FG103-i7-VWZXの様な「デスクトップPCのパーツをノートPCへと換装しました」という重量4.6kg台のお化けPCはさておいても、いわゆるゲーミングノートパソコンと呼ばれるある程度のスペックのPCでは2kg超えのモデルは少なくない。一部モデルではかなりの軽量化に成功しているものの、そこについてくる専用のアダプターを接続しなければ十分な給電が行えないモデルもまた多い。そうなるとそのアダプターも相応に重い為、結果的にかなりの重量物を持って行く事になる。その上カバンなどで持ち運ぶ場合、側面を地面などに強く置いてしまうと故障の原因になりかねない。ましてやモニターが搭載されている背部が圧迫されたり強い衝撃を受けてしまったりしたら、それこそ泣く泣く修理となるだろう。ポータブルゲーミングPCという選択肢も無くはないが、そもそものスペックがゲーミングノートパソコンと比べ相対的に低いモデルが多いという悩みもある。

 では出先に重たいゲーミングノートパソコンを入れたリュックを背負っていくしかないのか、という悩みに対する一つの答えが出されている。今回ホテルニューオータニ博多は「eスポーツルーム」のアップグレードを行ったというのだ。

こだわり抜いたハイスペックPCのサービス

 11月13日、ホテルニューオータニ博多(福岡市中央区渡辺通1-1-2、総支配人 山﨑真幸)では、九州初のeスポーツルームとして話題を集めた『eスポーツルーム Produced by QTnet』を最新のハイスペック環境へとアップデートした事を発表。本ルーム自体は2024年からサービスがスタートしていたが、この度備え付けのゲーミングマシンをアップグレードしている。

ホテルニューオータニ博多のゲーミングルームの様子

 ゲーミングPCとして設定されているのは、ドスパラの「GALLERIA XA7C-R57」。CPUはインテルCore i7-14700F プロセッサー(2.10GHz 20コア)、GPUはNVIDIA GeForce RTX 5070。メモリーは32GBとおおよそほとんどのタイトルを結構な描画設定で動かす事が出来るマシンだ。ディスプレイはLenovo Legionの「Y25-25モニター(24.5インチ)」、ゲーミングチェアはプロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」モデル。そして何より特徴的なのは、配信者向け設備が備え付けられている事だ。撮影・配信に対応した自立型グリーンバックを設置しており、カメラによる撮影配信などにも対応した一室となっている。現在は朝食付きプランのみ予約可能となっており、内装はシャワー、バスタブ、トイレも完備。これで通常価格は1泊2万2千円と、プロゲーマーや専業での配信者の遠征費にしてはかなり安めに付くのもポイントだ。

 ゲーミングチェアで名前の出ているSengoku Gamingは現在チーム名称を変えており、それが協賛にもあるQTnetである。つまりプロeスポーツチーム監修の元、そういった需要を見越して作られているのである。

 ゲーミングマシンの置かれたホテルは他にもごくわずかだが存在しており、例えば東京であればノーガホテル秋葉原 東京の「コンセプトルーム:ゲーミングケイヴ」がそれに当たる。ここでのパソコンはGALLERIAの「ZA9C-R39 Z590」。CPUはCore i9-10850K、メモリは16GB DDR4 SDRAMとやや控えめだが、グラフィックスはGeForce RTX 3090 24GBとハイエンド相当の性能を誇る。こちらも余程のタイトルでない限りは動作が見込めるスペックとなっているが、浴室はシャワーのみとなっており、ベッドは2段ベッドとビジネスホテルよりはややサービスの質が落ちる事になる。また料金も37,440円が最低値と、お手軽に泊まるにしてはかなり高めの設定なのは痛いところだ。

  いずれにしても、遠征の際に「ハイスペックなPCでプレイ感覚を維持しながら、翌日のイベントに望みたい」というユーザーは多いだろう。ネットカフェではなくきちんとした場所で身体を休ませつつ、良質なPCでフィーリングを整えるのも悪い選択肢ではないかもしれない。

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