プロeスポーツチームとデジタルマーケティング企業の密接な関係
eスポーツチームを展開する上で欠かせないのが、チームのアピールである。いくら優秀なチームであったとしても、昨今の市場を見渡せば広報戦略が第一と取れる風向きだ。ゲームが上手いだけでは勝ち残る事は容易でなくなってしまっているこの状況で、eスポーツチームとデジタルマーケティング企業が手を組む2つの告知を紹介しよう。
QT DIG∞がデータリレーションマーケティングとスポンサー契約締結

1月9日、株式会社戦国(本社:福岡県福岡市 代表取締役:西田 圭)が運営するプロeスポーツチーム「QT DIG∞」は、データを活用したマーケティング支援を行っている『株式会社データリレーションマーケティング』(本社:大阪府大阪市、代表取締役:香川 龍太郎、以下「DRM」)とスポンサー契約を締結したことを発表した。
DRMは、企業が保有する顧客・購買・行動等の各種データを活用し、CRMを中心としたデータドリブンマーケティングの戦略立案から施策設計、実行支援、効果検証までを一貫して提供するマーケティングコンサルティング会社だ。データに基づく高度な分析と実務に即した支援を通じて、企業の持続的な成長と顧客価値の最大化に貢献している。戦国は今回のスポンサー契約を通じ、デジタルネイティブ世代を中心としたeスポーツファンとの接点を創出するとともに、DRMが持つマーケティングノウハウを活用し、QT DIG∞のファンベース拡大やチーム運営の更なる活性化を目指していくという。
QT DIG∞は九州を軸に活動するプロeスポーツチームであり、所属選手は海外選手やストリーマーなども含めれば40名以上の大所帯となる強豪チームだ。メジャータイトルのVALORANTのみならず、Pokemon UniteやIDENTITY V 第五人格といったタイトルでも多くの選手を有している事が特徴だ。そして今回のスポンサー契約は、同社の強化するべき要素である広報宣伝とマーケティングといった領域に対して強みをもたせるものと見られている。
エクスチュア株式会社、ZETA DIVISION BUSINESS CLANへ加入

1月6日、エクスチュア株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:原田 憲悟、以下 エクスチュア)は、プロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」が運営する企業向け会員制組織「ZETA DIVISION BUSINESS CLAN(以下 ZBC)」に加入したことを告知した。エクスチュアはこれまで、eスポーツシーンの発展に向けた支援を継続するとともに、社内においても社員が大会に出場するなど、競技・コミュニティ双方の盛り上がりに寄与する活動を行ってきたのだという。今回eスポーツチームの運営する企業向け会員制組織への加入を通じて、ZETA DIVISIONの掲げるビジョンに共感する企業の一員として、eスポーツの価値向上と文化の発展に一層貢献していくと意気込んでいる。
今回の加入について、eスポーツの競技としての魅力だけでなく、コミュニティ、教育、キャリア、地域活性など、社会とつながる可能性を広げる取り組みに繋がるようなコネクションの形成を後押ししていきたいと同社は語っている。またeスポーツやゲーミングカルチャーへの関心が高い社員を中心に、社内コミュニケーションの活性化や挑戦意欲の向上につなげ、組織としての一体感を高めていく材料としての活用や、Z世代を中心としたファンベースとの接点を学び、企業活動・採用広報にも活かしていきたいとの事である。
同社はマーケティング領域でのデータの活用やAI活用の伴走支援といった事業を主軸に行うデジタルマーケティング企業として運営をされており、先述したDRMとその傾向は似通っている企業である。そして両方の企業が、共にeスポーツチームと良好な関係を築こうとしているのには当然理由がある。
eスポーツチームにはコーチやストリーマーの様な人材はいるが、どのチームも運営元となる企業がマーケティングに秀でている企業とは限らない。また、チームに対して魅力を感じているユーザーの分析や当該データの活用法などは、専門のマーケティングチームを設けなければ十全に情報を活かす事が出来ない。ネット上での評価や宣伝も大事なアピール手段であるプロeスポーツチームにおいて、こういったデータマーケティング系企業と結びつくことは現在では必須事項といっても過言ではないだろう。
もちろんスポンサーや団体加入を行うチーム側としては、Z世代を中心に注目を集めるeスポーツ界隈に参画を果たしているという事実は大きなアピールポイントとなる。自社の評価に対しての追い風として、蜜月を築いていきたいというのは切実な願いだろう。
今後も多くの企業が多かれ少なかれ、eスポーツチームとの関係を持って行く可能性は大いにある。企業を繋ぐ中心軸となり得るのか、産業の太さが試される時期に来ているのかもしれない。