eスポーツによる多地域共創を目指す 鉄道eスポーツアライアンス設立とスタパーク2026
eスポーツの特徴としてゲームタイトルである事が多いが、昨今のゲームタイトルであればオンラインプレイであったり、ライブ配信であったりと多くのユーザーを獲得したり、遠隔地からプレイする事で地域に縛られない大会の開催が可能であったりと、オフライン大会メインであった古いタイトルと比べれば遥かに「取り回しやすい」タイトルが増えている。今回はそんなタイトルの中で、地域創生に力を入れる2つの取り組みを紹介しよう。
鉄道eスポーツアライアンスという異業種の連帯

南海電鉄は1月16日、大阪市高速電気軌道株式会社(本社:大阪市西区、代表取締役社長:河井 英明)、近畿日本鉄道株式会社(本社:大阪市天王寺区、代表取締役社長:原 恭)、京王電鉄株式会社(本社:東京都多摩市、代表取締役社長:都村 智史)、南海電気鉄道株式会社(本社:大阪市浪速区、代表取締役社長:岡嶋 信行)の4社が共同で、2026年1月18日(日)に、「鉄道eスポーツアライアンス(以下、本組織)」を設立した事を発表した。東西の鉄道会社がeスポーツ分野で連携する取り組みは、国内で初めて(日本国内の鉄道事業者として)であるとの事だ。
顔ぶれを見て意外な印象を抱く読者は多いだろう。この4事業者はいずれも鉄道事業者、並びに沿線に関連する不動産事業などが収益源という企業であり、eスポーツの様な娯楽専門の領域とは明らかに離れている事業者であるからだ。とはいえ、彼らも裸一貫でこのアライアンスを組んでいる訳では無い。大阪市高速電気軌道と南海電気鉄道は、e スポーツイベント「夢洲GAMER’S FES 2026 PLAYER’S TERMINAL」を1月18日に開催しており、そのイベント上で今回のアライアンス発足について発表が行われたのである。
また京王電鉄は「KEIO OPEN INNOVATION PROGRAM」の一環として、eスポーツを通じたまちづくりに取り組んでいる。2025年6月に新宿駅西口直結の京王モール内で、eスポーツ・ゲームグッズの販売と配信ルームを完備した「KEIO eSTATION Shinjuku powered by DiCE」をオープン。沿線でのデジタル教育・eスポーツの体験会や、eスポーツ競技大会「KEIO CUP」の主催、体験型イベント「京王eスポーツ祭り」などを開催するなど、企業として積極的な参画を行っている。近畿日本鉄道はこの京王電鉄の取り組みと縁が深い。あべのハルカスにおいて2024年10月に「KEIO CUP」のパブリックビューイングを実施。2025年7月にeスポーツチームのイベントへ協賛を行うなど、こちらも徐々にそういった機運を作っていった企業であるのだ。
これら4社がeスポーツ事業における集客、ならびにeスポーツ競技大会の実施・支援やプロモーションを共同で行う事がアライアンス結成の目的となっている。確かに企業単独でこの手の取り組みを行う場合は地域性や企業体力に縛られる事が多いが、特に遠隔地でも開催可能なタイトルを利用し、文字通り距離を問わないイベントで沿線を活気づける事が出来るならば、それはどの事業者にとってもWin-Winであると言える。
スタパーク2026は4自治体の共同主催という大盤振る舞い
大阪府泉佐野市は1月15日に、2026年2月22 日(日)に同市をはじめとする4つの自治体が連携をとり、大人気ゲームタイトル「STREET FIGHTER 6(ストリートファイター6)」を使用したe スポーツイベント「スタパーク2026」を開催する事を告知した。

同イベントは2025年3月に大阪府泉佐野市および北海道旭川市の2都市をつないで実施され、相当の距離がある2拠点にも関わらず大盛況を見せたとの事である。第2回である今回のスタパーク2026では、神奈川県横須賀市および石川県羽咋市を新たに迎え、4自治体共催によるスケールアップした取り組みとして実施するとの事である。イベント当日は全4会場をオンラインで接続し、各会場にプロeスポーツ選手や人気インフルエンサーをゲストに迎え、『地域交流座談会』のほか、各会場のプレイヤーが地域の名を背負って競い合う『地域代表対抗戦』を実施。加えて、各開催地の特色を活かした独自『オフライン企画』も実施するとの事である。
現在のプレスリリースでは泉佐野市の会場の詳細が書かれてはいるが、今後他の開催自治体の会場についての情報も順次出てくる物と見られる。事前申込制ではあるものの、原則参加費無料であるとの事なので、興味があれば是非足を運んでみるのも良い機会になるだろう。
多くの企業や自治体が結束の鍵として見なしているeスポーツ。既存のシステムの枠にとらわれない新たな連携の切り札として、大いに役立って頂きたいものである。