西日本で広がるeスポーツイベントの輪
eスポーツに対する認知度が年々上がるにつれて、全国各地でeスポーツを題材にしたイベントが勃興しつつある昨今。特に名前の売れたチームを抱える企業が属するエリアにおいては、チームの知名度や競技タイトルの浸透を図る絶好のチャンスとなる。また主催する企業側においても、多くのユーザーを呼び込む事で今後の土地活用や顧客獲得につなげたいという思惑を叶えるチャンスとなる。今回はそういった中から2件のイベントについて紹介していこう。

広島で強いやつに会いに行く
株式会社エネコム(本社:広島市、取締役社長:岡部 恵二)は、オフラインによるeスポーツ トーナメント競技大会「VOLTAGECUP 2026」(以下、本イベント)を2026年3月28日(土)および3月29日(日)に開催することを12月16日に発表した。プレイヤーが繰り広げる白熱した対戦と観戦者の熱い応援により、会場全体に一体感と緊張感あふれる熱狂シーンを創出するという意気込みを見せており、イベントの運営はeスポーツ系イベント運営企業である株式会社JCGが担うことになる。今回のイベントで競われるタイトルは「ストリートファイター6」である。なお大会上位者3名にはJESU公認プロライセンスが発行されるとの事であり、賞金も300万円とこの手の大会にしては高額だ。
同社は2024年11月に、広島エリアを中心とするeスポーツの認知度向上や発展を目的に、「広島eスポーツ企業交流戦」を実施。参加企業さまおよび観戦された参加者から多くの好評の声を受け、eスポーツイベントの集客力や若年層の誘引、地域活性化に寄与することを認識したのだという。同イベントを踏まえて、多くの参加者に地域の魅力を感じてもらう事を視野に、広島の中心部である平和記念公園内の広島国際会議場にて本イベントを開催する事を決定したとの事だ。
余り耳馴染みのない社名かもしれないが、同社は高品質・高信頼の光ファイバー通信回線事業者である。この技術はオンラインでの対戦や観戦、更には実況配信など、eスポーツのあらゆる分野で必要とされているものである。同社の保持するこのスキルがeスポーツの価値向上に大きく貢献できるものと考えており、今回のイベントを通してより様々な課題に対してアプローチをしていきたいとの事であった。
なおこのイベント、開催地が広島という事で後援にヤルキマントッキーズ株式会社が名を上げている。ここでピンと来る読者の方もいるかもしれないが、同社は今シーズンストリートファイターリーグ2025:Pro-JP Division Fとプレーオフにて激闘を行ったチーム「広島 TEAM iXA」の運営元企業である。当日のゲストはまだ未定であるが、ひょっとしたら同チームからの参戦もあり得るかもしれない。
万博跡地を活かす取り組み
南海電鉄グループ eスタジアム株式会社(代表取締役社長 加藤 寛之、以下「eスタジアム」)は、eスポーツを通じた社会課題の解決を行うことで地方創生に寄与するべく、eスポーツイベントの企画・運営事業、施設運営事業に取り組み、eスポーツのある新たなライフスタイルの形を提案していく企業である。そして今回、大阪市高速電気軌道株式会社(代表取締役社長 河井 英明、以下「Osaka Metro」)と南海電気鉄道株式会社(代表取締役社長 岡嶋 信行、以下「南海電鉄」)が、2025年大阪・関西万博の閉幕を契機に、そのレガシーと理念を受け継ぎ、大阪の持続可能な発展を目指す「アフター万博」の取組みとして、2026年1月18日(日曜日)にOsaka Metro 中央線 夢洲駅で開催する、e スポーツイベント「夢洲GAMER’S FES 2026 PLAYER’S TERMINAL」において、運営企業として参画することを12月11日に発表した。

本イベントは大阪府の後援のもと、Osaka Metroと南海電鉄の両社が、大阪のさらなる成長と発展に向けた新たなスタートとなることを目指して、利用者に対するサービスの一環で実施するとの事である。eスポーツの多様なゲームコミュニティを招待し、好きなことへの熱量を等身大で表現できる“居場所の提供”を実現した「コミュニティエリア」のほか、eスポーツを代表するゲームタイトルを採用したオープン大会を開催するという。
実際に2030年には統合型リゾート(IR)事業の開業が予定されている夢洲駅では、駅構内に設置された全長55mの大型LEDビジョンに、プレイヤーらの白熱したバトルを映しだすことを計画している。この手のライブ演出を行う事で会場が一体となって盛り上がることができる空間を創出したいと意気込んでいる状況だ。
2025年12月下旬より受付開始予定の本イベントについては、今はまだタイトルなどが決まっていない状態ではある。今後イベントについての詳細は、eスタジアム公式ホームページに順次掲載をしていくとの事である。参加を希望する場合は要チェックだ。